彼女の不都合事情

今日、まだトウヤと喋ってない。

避けようと思うとすんなり避けられて何となくがっかりした。

自分、馬鹿過ぎる


チェレンのとこでやらせてもらえないかなと思って顔を出すと締め出された。
いつもは、メンドーだなって言って許してくれるんだけどなー。

まぁ、今日は四日目、クリスマスイブだから、そっちに集中するのは簡単なのだ。

「あ、雪降ってる」

道理で寒い筈だ。


っていうか、もう明日でバイト終わるんだ。


「あれ、名前?ここでバイトしてたんだ」

「わ、フウロ」

フウロが彼氏を連れてやってきた。
結構格好良い人だ。
腕まで組んでいる。

「がんばってね!」
「ありがとう」

フウロがトウヤのこと見て格好良い!!と言っていたから彼氏さんがちょっと恨めしそうに見てた。



「なぁ、苗字」

閉店時間になり店を閉めているとトウヤに声を掛けられた。


「なに?」

「何かあったのか?」

「え、いやっ、何にもないよ」

「何か空元気っぽく見えたからさ。」

あたしの事を気にかけてくれているんだと思ったら凄く嬉しかった。
避けたりする必要なかったなぁ。

あとちょっとしかバイトできないんだからいっぱい話そうとすればよかった。
好きなだけならきっと悪くない。


「何かあったらオレに言えよ。
 頑張り過ぎたら良くないっていうし」


トウヤはそう言って頭をポンっと一撫でした。


「ありがとう」


彼女の不都合事情

(もう十分幸せなんだよね)


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