Twitterお題02:(2/3)
彼女の名前は「苗字 名前」と言うらしい。
先日出会いがしらに抱きつき、デートに誘った。
自分もなんだ、よくやるなぁと思う。
「この間はごめんね、急に抱きついたりして」
団子屋の長椅子に二人並んで腰かけ、とりあえず先日の無礼を詫びた。
「大丈夫です。ちょっとびっくりしたけど」
あ、こんな声なのか。
「名前ちゃんってさ、前から忍術学園にいた?」
「いいえ、少し前に編入してきたんです」
睫毛長いな。
「だよね、今まで見たことなかったもん」
「尾浜くんはずっと忍術学園に?」
鼻は少し低いんだ。
「あぁ、ずっと忍術学園にいるよ。これでも一応優秀なんだ」
ただの軟派野郎じゃないんだよ?そう続けると、彼女は軽く笑った。
あぁ、こんな風に笑うのか。
俺は彼女の事、本当に何も知らないな。
声は思ったよりも落ち着いていて
睫毛は兵助みたいに長くて鼻は少し低い。
口を押えて微笑むように笑う。
バラのような派手さはないけどタンポポのような温かさがある。
もっと彼女の事が知りたくなった。
そして俺の事も知ってもらいたくなった。
このお団子を食べ終わったらどうしよう。
別の店に行く?帰る??
帰ったらどうする?次の約束はどうしよう?
同じ学園にいてもくのいち教室は男子禁制でなかなか会える機会もないだろう。
もうすぐ空になってしまう皿を横目にちらりと見て
(時間なんて、止まればいいのに)
そう思いながら、次の事を考えた。
-continue-
お題:まあ、一目惚れです/(時間なんて、止まればいいのに)/きみがいること=無敵ってこと
[しおりを挟む]