Twitterお題01

彼は忍たまで、私は行儀見習いのくのたまだった。

行儀見習いだし3年か4年になれば
誰か、家の人が決めた相手と結婚するんだと思っていた。

産まれた時からわかっていたことだし、それでいいと思っていた。

彼、尾浜勘右衛門に恋をするまでは…



1年生の時に彼に出会った。

甘味屋でよく会う内に
いつしか一緒に行くようになった。

どちらからともなく恋に落ち
とても幸せな時間が流れた。

この時間がずっと続けばいいのに、そう思った。

しかし時間は流れる。

成長は止められない。

ある時とうとう私にも縁談の話がきた。

私の意思とは関係なく親が学園の退学手続きを進めている。

どうしたの、最近元気ないね。そう聞いた彼に、
縁談の話がきた、ここを辞めることになる。と伝えた。

「じゃぁ駆け落ちでもしようか」

あんまりあっさりと、
ちょっとそこまでお団子でも食べに行こうか、
と言わんばかりに、なんでもないように言うもんだから
思わず「うん」と言ってしまった。

今思えばなんて馬鹿なことをしたんだろうと思う。

でもその時はただ一緒にいたい一心で
2人で飛び出していた。

でも世間はそんなに甘くなく、
家の者にも追われるしで大変だった。

結局2人の逃亡生活は長くは続かず
私達はあっさり捕まった。

こんな娘は恥だと家に連れ戻された私は
蔵に入れられ外出は認められなかった。

彼はどうなったのだろう。

ちゃんと忍術学園に帰れただろうか、
頑固な私の父に何かされてはいまいか、
それだけが気がかりだ。

似合うからと彼に買って貰った簪を真っ赤に染め
薄れゆく意識の中、
過去の思い出だけがキラキラと目の前で散っていた。

-end-


お題:このまま隣にいるために/(なんてばかばかしいことを)/走馬灯の中で散りゆく

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