*オチなし、ヤマなしの没文。
ドランゴ→テリー(→)←バーバラ
「好きな人、出来たんだ」
「…ふーん、良かったな」
「もぅー!それだけー?普通誰?とか聞くでしょ。」
「興味がない」
「はいそーですか。ドランゴといちゃいちゃしてろー!」
バーバラがぷぅと頬を膨らまして仲間たちの元へ走り去るのを見送ったあと、オレはその場で溜め息をつく。
(誰だよ、好きな奴って)
興味がないわけがない。
気になって、気になって、仕方がない。
誰だ。レックか。ハッサンか、チャモロかアモスか…。一番可能性が高いのはレックだ。
仲間たちと談笑しているレックの背中をジッと睨み付けた。
「ギルルン…」
すっかりオレになついたドランゴが甘えるように体を擦り付けてきた。図体はでかいくせに甘えん坊なコイツは何だかんだ可愛らしく思えてしまうのは小さい頃のモンスターを引き連れた旅のせいだろうか。いや、あの不思議な旅に出る前から魔物を可愛がっていたが姉さんが拐われてから強くなるために魔物を倒していたため、こうやって魔物と触れ合うのは酷く久しぶりな気がする。
「…テリー…私が……一緒に……いる…」
「ありがとな」
ドランゴの頭を撫でてやると嬉しそうに鳴く。その様子に自然と顔が緩んだが誰かの視線を感じて顔をいつも通りの無表情に戻す。
(魔物か…)
剣の鞘に手をかけ、息を潜め、体は動かさず目だけで辺りを見回すと案外簡単にその視線の正体は分かった。
「バーバラ、なにやってるんだ。」
「……………」
「怒ってるのか?」
「……べっつに〜、ドランゴにはあんな優しい顔をするのにどうしてあたしに対しては怖い顔しかしてくれないのかなって思っただけ」
思いっきり怒ってるじゃないか。
「なんだ、ヤキモチでも妬いてるのか?」
「なっ!ち、ちち違うってば!ホントに自意識過剰なキザ野郎なんだから…サイテー」
「…ギルル…!テリーの悪口……許さない……ギルルン!」
「おい、ドランゴ落ち着け」
いつの間にかドランゴとバーバラの間に流れる空気が危険なものに変わる。
何故こんな状況になってしまったのかが理解出来ない。
レックやアモスが修羅場だ、とか囁いていることすらも理解出来なかった。
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