一喜一憂させないで 


*現パロ
幼馴染み設定


「なにやってんだそれ?」


あたしがベッドに寝転がって3DSでゲームをしてるといつのまにかテリーが覗きこんでいた。


「もう!窓から入ってくるなって何度も言ってるじゃん!」


「別に隣だし、何年も幼馴染みやってんだ気にすることないだろ。お前の窓全開だったしな」


あたしとテリーは所謂幼馴染み。家も隣で部屋まで隣。だからテリーはよく窓からあたしの部屋に遊びに来る。
着替え中にも平気で入ってこられるしテリーの中であたしは女と認識されていないらしい。実際、性別バーバラとからかわれたこともあるわけだし。
テリーとはもう幼稚園に入る前からの腐れ縁だ。テリーは高校生だというのにまだ思春期らしい思春期がきていない。未だにミレーユにべったりのシスコンだし、女の子からいっぱい告白されても首を横に振る。テリーいわく付き合うとかよく分かんない、らしい。まだ友達とつるんでるので充分らしい。


「あたしだって女の子なんだからね!」


「はいはい」


「む…なにその反応…」


別に今更テリーに女扱いされても鳥肌が立つだろうけどやっぱり少し悔しい気もする。
一応あたしのす…好きな人でもあるわけだし!


「はあ…」


「なに溜め息ついてんだよ」


「別にー?」


テリーって本当に鈍感だ。そして天然たらし。今だってあたしの髪をくるくる、と弄りながらゲーム画面を横から見つめている。あまりの至近距離に心臓がどくんどくん、と速くなっていくのを服の上から抑える。心臓の鼓動が強すぎて痛い。


「…お前、香水とか付けてるのか?なんか意外だな」


テリーがすんすん、と犬のようにあたしの髪に鼻を押し付ける。


「へ…付けてないよ?たぶん、リンスの匂いじゃない?」


「…ふぅん。いいな、そういうの。」


なんか初めて女の子扱いされた気がする。鳥肌が立つと思っていたのとは裏腹に顔に熱が集まって頭がくらくら、してきた。


「……………」


「なんだ照れてんのか?可愛いやつ」


テリーは更なる追い討ちをかけてくる。もう完璧にあたしの顔真っ赤じゃん。
きっとテリーに告白してきた女の子はこういうのを喰らってきたな違いない。テリーには決して他意なんてないんだから。


「げ、ゲームの邪魔!」


「恥ずかしがるなって」


テリーが目を細めてフッと笑うとまた心臓が大きく跳ねた。
テリーったら確信犯じゃないの?
あ、でもコイツの場合無自覚か。無自覚が一番厄介だ。


「さて…と、」


「あれっ、もう帰るの?」


「そろそろ姉さんも帰ってくるしな」


「あ、そっか。で、でもさ…あの、あたしはその…」


窓に片足をかけ、自分の部屋に戻ろうとするテリーをつい呼び止めてしまった。まだ一緒にいたい、なんて素直に言えないあたしは口をモゴモゴさせる。テリーはそんなあたしを見て呆れたように溜め息をついて、窓から片足を下ろしてあたしの髪をグシャグシャと撫でる。


「また後で来る。だから、待ってろ」


「う、うん…!」


テリーのその言葉にパアァと胸が輝いた。我ながら単純だとは思う。それでも、そんな些細なことに一喜一憂するのが良い意味でも悪い意味でも、大体後者の方が多い気もするけどそれが恋心というやつなのかもしれない。





title*Poison×Apple
(20140704)

   end 
bkm

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