「そういえばまだ聞いたことないけどミレーユって目的とかあるのか?」
次の町に行く途中に見つけた大きな木の下で休憩中にレックが思い出したようにそう聞いてきた。そういえば私はレックたちに自分の目的を言ったことはなかった。
「…気になる?」
「んー、まぁ…ミレーユはオレ達と会う前から実体取り戻してたみたいだし」
「…そうね。私はある人を探してるの」
「ある人…?」
レックが眉をひそめる。
「ええ。とっても大切な人よ」
「…ふ〜ん」
面白くなさそうにレックは口を尖らせる。そういうところが子供っぽいだってなんで気づかないのかしら。
「それって…男?」
レックの問いかけについ笑ってしまう。
「なあに?もしかして嫉妬してるの?」
「…っ!べ、別にそういうわけじゃ」
表情がころころ、と変わる様子は見てて飽きない。むしろ楽しい。レックといると自然に笑顔になれるから不思議。
「ふふ。ごめんなさい。ついからかいすぎちゃった」
レックの頭を右手で撫でようとするとレックに手首を掴まれる。
「子供扱い…すんなよ」
「もう、ごめんってば。拗ねないで」
レックの顔を覗きこむと至近距離で目が合った。なんとなく居心地が悪くなって離れようとするとレックがぐい、と体を引き寄せてきた。
「ちょ、ちょっと…」
「ミレーユはさ、俺だけ見てればいいんだよ」
「……え」
呆気にとられている私を見てレックは少し目を細めて頭をぽんぽん、と叩いて仲間たちの所へ戻った。
「……年下のくせに生意気なんだから」
レックに優しく叩かれた頭を両手で触る。でも嫌な気はしなかった。
あとがき
初の主ミレ。主人公はミレーユに子供扱いされるのが嫌でミレーユに一人の男として見てほしいからきっとこれから猛アタックしまくるんだろうな。ミレーユは最初は主人公とテリーを重ねて弟みたいな、子供扱いするけど段々男の人として意識し始めたら可愛いなぁ。また主ミレ書きたいです。
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Poison×Apple(20140527)
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