「ん、なあに?」


隣に座って、花冠を作っているシンシアをジッと見つめていると俺の視線に気付いたシンシアが照れくさそうに俺の顔を見上げた。


「いや、なんでも、ない」


「変なソロ」


そんなに見つめていたのか…。
恥ずかしい。
見惚れていたとは言えずにまたちらりとシンシアの横顔を盗み見る。


「よし、出来たー!」


「ん、出来たのか…って、不恰好だな」


俺の言葉にシンシアは怒ったようにぷぅと頬を膨らます。その頬を人差し指で突っつくと空気が抜けたような情けない音が鳴ってつい笑ってしまうとシンシアはきょとんとした後、嬉しそうに笑った。


「はい、どうぞっ!」


「やめろよ、似合わないって」


「えー、似合うよー?」


俺の頭の上には花冠が乗せられている。男の俺にはどう考えても似合わないと思うのにシンシアの視線はずっと俺だ。その視線に耐えられず視線を下に落とすとそこにはいっぱいの花。
その花の茎を使って小さな指輪を作る。手先は器用な方だからすぐに出来た。


「ほら、やる」


「わあぁ!指輪だ!」


嬉しそうにシンシアは左手の薬指に指輪をはめた。
って、そこにはめるなよ!


「うふふ…ありがとう、ソロ」


そんな顔されたらそんなことも言えず小さくああ、と呟いた。
やっぱりシンシアは可愛い。ずっと隣でコイツの笑顔を見ていたい。
俺の熱っぽい視線に気付いたシンシアは頬を真っ赤にさせながら小さく微笑んだ。





(20141115)



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