最近、レックが構ってないくれない気がする。 これがマンネリ化というやつだろうか。3ヶ月というのが特に多いとか…確かにレックと付き合ってから3ヶ月ぐらいだ。 人間は飽きっぽいもので結婚しても愛は数年ぐらいしか続かないらしい。そもそも、恋愛と結婚は全くの別物らしい。恋愛の延長線が結婚ではなく結婚することで新たに変わるとか。結婚すると恋愛感情から家族愛へと変わると言うのもよく聞くし、なんだか愛って難しい。 ーー恋愛って面倒くさいーー ぽっと頭に浮かんだ不毛な思考を振り払うように顔を横にぶんぶんと振ると隣で本を読んでいたレックが不思議そうな顔をしたけどすぐに本の世界へ旅立ってしまった。 本、と言っても魔法書とかそういう類いではなく英雄の伝記とかそういうものらしい。レックは一つのものに夢中になると周りが見えなくなるタイプだからこれは読み終わるまで構ってもらえそうにない。ていうか、本を読み終わったとしてもレックは構ってもらえないんだろうな。最近、何を話しても微妙な反応しかしないし、手を繋ぐとか抱き締めるとかキスとか一通りのことをしてしまったので刺激とか新鮮味がないのかもしれない。 「ヒマー」 「……」 無視、か。 二人っきりの時ぐらい恋人らしく過ごしたいと思うのは至って普通のことだと思うんだけど…。 レックの背中を後ろからツンツンしても髪をくしゃくしゃにしても、くすぐっても反応なし。 不貞腐れてベッドに体を投げ出すのもしょうがないと思う。うつ伏せのまま、そんなことをぐるぐると考えているとベッドのスプリングがギシッと鳴る。何事かと顔をうつ伏せの状態から起こし、振り返るといきなりレックの少し乾いた唇が押し付けられる。そのまま舌で上唇を舐められ、体がビクリと小さく震える。不意の出来事に息が上手く出来ない。 レックがゆっくりと離れる。伏し目がちなのが妙に色っぽい。 「へへっ、ビックリした?」 「び、びびびっくりしたに決まってるじゃん…!」 「たまにはこういうのもありかな…ってさ。刺激的だったろ?」 頬が熱い。真っ赤な頬とか隠したいのにそれも手遅れみたいで悪戯が成功した子供みたいな顔でレックがあたしの頬を触る。そして、もう一度いきなりキスされる。 ああ、もう…不意打ちなんて反則だってば。 (20141113) |