会いたくて、会えなくて
*テリバ前提のテリーとマーニャ
DQヒーローズねた
「またあんたか」
「あら、バレちった」
酒場のピアノの影から紫色の髪の女がベロを少し出して笑った。
「オレに何か用か?」
「うふふ…気になる?」
マーニャが妖艶に微笑みながら体を擦り付けてくる。香水の匂いが鼻について顔を背けた。
「まだ子供だけど将来いい男になること間違いなしよ〜」
「生憎オレはお前が好きな金持ちじゃないぜ」
「お金も大事だけど顔が整ってるか整ってないかも大事じゃない」
「フン…欲望に忠実な女だ」
「お褒めの言葉、ありがとう」
密着していた体がようやく離れた。
「あんた好きな女でもいるわけぇ?」
「………」
「あら、図星か。なーんだ、可愛いとこあるじゃない!どういう女の子が好きなのかお姉さんに教えて教えて?」
何も知らないくせに何を言ってるんだこの女は。
これ以上話してもイライラするだけだと判断してオレは酒場から抜け出す。
「もしかして“好きだった”女の子だった?」
「さぁな」
後ろからマーニャにそう聞かれ、オレは投げやりに答えた。
こんな場所にいる暇はない。
早く元の世界に戻ってアイツと会える方法を探さなくてはならない。だがこの世界でも収穫はあった。無数の世界を渡り歩くレティス。その神鳥のような存在にまた会えれば何か方法は見つかるはずだ。
“好きだった”ではなく“好きな”女に戻すためにオレは戦い続けなくてはならない。
そのためだったら何だってやってみせる。
title*
色々。(20150304)
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