それってつまりどういう意味?



バーバラはスキンシップが多い。特にオレに対して。からかうように頭を撫でてきたり、拗ねたときは頬を引っ張り…色々ある。男として見られてない気がして複雑だが素直に嬉しいと感じる。バーバラは誰に対しても馴れ馴れしいがオレに対してはかなりスキンシップが多い。その場のテンションでいきなり抱きつかれたりすることもある。柔らかい膨らみが押し付けられるのが少し辛いが自分に気を許してくれていると考えると自然と頬が緩む。


「わあぁ本当に!?やったー!レック、大好き!」


野宿の準備をしているとバーバラの大きな声が聞こえ、反射的にバーバラを見るとそこには何やら興奮しているバーバラとそんなバーバラの頭を笑いながら撫でているレックの姿があった。この二人は同い年で性格の相性が合うこともあってか仲が良い。見てても自分が悔しくなるだけだからそっぽを向こうとしてもついバーバラたちを見てしまう。
あいつ、オレには大好きなんて言わないのに何でレックには言うんだよ。


「他の皆には内緒な?」


「うん、もちろん!レックとあたし、二人だけの秘密だよ!」


何だよ秘密って。苛々する気持ちがふつふつと沸き上がって今にも爆発してしまいそうなのを何とか抑えつける。


「おい、くっつくなってー」


レックが照れくさそうに笑う。バーバラがレックに抱きついたからだった。何でだよ、今までレックにあんなスキンシップしなかったのに。オレだけだったのに。さっきまで抑えつけていたものがふつふつと沸き上がり、オレは二人に近づいた。テリー?と困惑するバーバラをレックから無言で引き剥がしバーバラの腕を掴んで連れていく。


「テリー、どうしたの?」


仲間たちから少し離れた場所に来るとオレは掴んでいたバーバラの腕を離した。


「お前、レックのことが好きなのかよ。」


聞かずにはいられなかった。好きだと言われたらオレはどうするのだろうか。きっと諦めようとするけど諦めきれないだろう。自分のことは自分が一番よく知っている。


「へ…?普通に好きだけど?テリーのことも大好きだよ!」


「……そうか」


そうだよな、こういうやつだ。鈍感すぎるこいつが人並みに恋愛をするところなんて考えられない。それよりも仲間としての意味だが大好きと言われたことに顔が燃えるように熱くなった。体温もいきなり急上昇したのか熱をひいたかのように全身が熱くてたまらない。


「テリーどうしたの?頬っぺた真っ赤だよ?風邪?」


バーバラが背伸びをしてオレの頬に触れてくる。冷たくて細いバーバラの指先に触れると更に頬が熱くなっていくような気がして後ろに下がるとバーバラがムッと眉を吊り上げてまた頬を触ってくる。その手を払いのければいいものをオレには出来なかった。


「オレ以外のやつにこんなことするなよ。レックとかにもあーやって抱きつくな。」


恋人じゃないくせにこんなことを言うのは少し気がひけるが自分以外の男にスキンシップをするバーバラを見たくなかった。


「えーっと…それってつまりどういう意味?」


「……もういい」


「えー?待ってよー!」


コイツには一生オレの気持ちが伝わらないと思った。





(20140805)

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