相手が誰だかわかったら、あなたと私はお友達

「どうして?!」
 泣き叫ぶ女。
 それを見おろす男の顔は笑ってはいたが、その目は冷ややかだった。
「なんで?!何がいけなかったの?何でも言ってよ。私なおすから!貴方の為なら何だってするわ!!」
 女は必死に言い続ける。しかし男にとっては聞きなれた台詞だった。
「…だってさぁ」
 女の甲高い声がいっそのこと耳障りに感じて、男は口を開いた。男の声を聞こうと、女は声を止めて期待を込めた目で男をみる。
 男はそれが哀れで可愛らしく、そして惨めに思い、さらに笑みを深めた。
「飽きちゃったんだもん」
 とうとう女は崩れ落ちた。それを見て男はくすくすと小さく声をあげて笑った。
 最初に惚れたのは女の方だった。その女の気持ちに気づいた男が、女に交際を持ちかけたのだった。
 女が男のもっとも好きなところは、その少しかすれた気だるげな声だった。その声で愛をささやかれたときなどは、死んでもいいとすら思ったものだ。
 しかし、今は大好きな声で、別れを告げられている。そのショックは、相当なものだ。
 男の方はというと、最初から最後まで女のことが好きだった時などなかった。
 自分の声が、容姿が、そして性格が、依存されやすいことは自覚している。何度か言い寄られたこともある。その度に断らずにつきあってきたが、一度も愛することはなかった。何度か好かれ付き合い振ることを繰り返すうちに、男はその一連の流れと相手の反応に面白さを感じるようになった。
 特に面白いのは、愛してるといったときの相手の反応。こちらは全く愛していないというのに、言葉なんて曖昧なものを信じて喜び悦ぶなんて、馬鹿らしく、愛しく、滑稽だった。
 今目の前で醜く嗚咽をあげている女もそうだった。けれど最近、愛されることを当たり前と思う様子が見えてきて、興味が失せてきたのだ。
 既に、次の目星はつけてあるが、その前にこの女でもう一遊びしてやろうと、男はしゃがんで女と目線をあわせた。
「…まだ俺といたい?」
 女が顔をあげた。涙に濡れた瞳を輝かせている。
 涙で化粧が落ちたこともあってさらに醜くなった女に、思わず顔をしかめそうになったが、表情筋を総動員してそれをこらえる。
 顔を近づけ、女の顎から耳までをなめあげると、女は小さく喘いだ。
 耳障りだなぁ。そんなことを思いながら、耳まで到達した自らの口を笑みの形に変化させ、ささやいた。
「ざぁーんねぇーん」
 笑い声をあげて立ち去る男。
 後に残されたのは、うつろな目をして座り込む、哀れで醜い女だけ。






何で素直にお相手を言わないのかというと、この人が好きな方々にたこ殴りにされそうだからさ!でも選曲センスからいってこんな感じじゃない?!ニコ生とかまだ聞けてないからホントのところは知らないけどさ!
ほんっとすんません。ヤンでる感じの大好きなんだけど、それを書いた後の罪悪感パないね!サーセン!
だってしょうがないじゃない。2787曲全曲再生で、Mind Scientist→嘘つきのパレード→この人が歌ってる↑人生ゲーム↓→この人が歌ってる腐れ外道→この人が歌ってる厭なヲツカイなんて!書けって言ってる!歩男私にこれ書けって言ってる!
でもゆめゆめにあげる勇気も時間もないから、ここにこっそり。どうしても知りたかったら、拍手かどっかで正解と思う名前を書いた上で聞いてきてください。あってたらRe:で正解って言います。

|
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -