ここは副長室である。
その障子の向こう側には、今日限定でモテモテのあの人物がいるはずである。
その人物を訪ねるべく、総悟はスパーンと快音を立てて障子を開いた。

「土方さーん、チョコレートくだせぇ」
「・・・普通に開けろよ、総悟」
「土方さん、モテまくりでチョコレートをもてあましてるのはもう調査済みなんでさぁ!堪忍して出しなせぇ!」
「お前だって、食堂のおばちゃんからチョコレートもらってただろ」
「それはみんなもらってまさぁ」
「俺はそれすらもらってねぇよ」
「またまた〜、そんなこと言って、その後ろに隠してるチョコレートを俺が察知しないわけないでさぁ」
「別に隠してるんじゃねぇよ。いらねぇから、どうやって処分しようか迷ってただけだ」
「ここに鬼がいる!愛が詰まったチョコレートの山を無残に処分しようとする鬼がいる!」
「しょうがねぇな。ほら、これやるよ」
「なんですかぃ、これ」
「お前へのチョコレートだよ。愛してる、総悟」
「な、なに、急に、あいしてるとか言ってるんでさぁ、このモテオトコ土方死ね」
「なんだよ、せっかく選んで買ってきたのに、いらねぇのかよ」
「いらないとは誰も言ってないでさぁ」
「じゃあ、ちょっと特別な食べ方を教えてやるよ」

土方さんはニヒルに笑いながら、チョコレートの封を開けた。


***


土方の指が無遠慮に足の付け根の奥まったところにある入口を広げて、何かをつまんだ指とともに熱くうるんだそこに入ってきた。
ゆっくりと奥まで侵入してくる感触に、総悟の指先がシーツをつかんだ。

「ぁふっ…、な、に…いれたんですかいっ……!?」
「さっき、てめぇにあげたチョコレート。ほら、うまそうに食ってるぜ」
「な…っ!やぁぁあっん!」

入れられたものを拒もうと身をよじらせると中からとろっと溶けて出るのがわかった。
もどかしげに鼻にかかった息を洩らす総悟の様子を見ながら、ふと口がゆるんだ隙に土方はゆっくりと指を含ませ、内側をこするようにして異物を馴染ませていった。

「あん、やぁ……うぁっ……」

中に入れた指がばらばらに動くたびに、ぐちゅぐちゅといやらしい音がして、中から溶けたチョコレートがあふれ出す。
それを見た土方は口角を上げて、総悟を眺める。

「わ、すっげぇ…えろい」

着ていたものなんてとうの昔に脱がされて一糸まとわぬ姿に対する感嘆めいた声に総悟は足を閉じようとしたが、土方に膝をつかまれてそれを拒まれた。

「どうだよ、チョコレートは上手いか?」
「…ぜ、っん、ぜん…」
「そうかよ、」

そっけないように答えながらも、指をばらばらに動かして、刺激を強めていく。
顔を真っ赤にして感じているのに、口では良いなんて一切言わない強情な総悟を見て、土方は楽しげにほほ笑んだ。

そして、それまでおざなりだった胸の上の手が、ぷっくりと立ち上がった先端をつまんだ。
ふと土方が何かを思いついたのか、おもむろにチョコレートで総悟のピンク色の乳首をくりくりとこねまわした。

「や、めろ…っ!」
「チョコレートまみれの乳首ってイチゴチョコみてぇだよな」
「…へ、んたいっ!」
「俺はお前の望み通り甘いお菓子をあげてやってるだけだ」

チョコレートを塗りたくってチョコレートまみれになった乳首に口を寄せて、土方はねっとりとなめ上げる。
すべてのチョコレートを舐めとるように、ぺろぺろと舌でまんべんなく舐めまわす。

「甘ぇ……」

土方はそうつぶやくと、そのまま総悟の口をむさぼるように吸いつき始めた。
土方が総悟の口の奥まったところにある舌を探し出して絡めると、総悟の咥内に甘い味が広がる。
そのまま唾液を交換し合うような深いキスしていたが、総悟が息苦しそうに土方の肩を押した。
はあはあと大きく息をする総悟と目を合わせて視線を絡めあう。

「…なぁ、甘いだろ?」

チョコレートの甘ったるい味が舌の上に残る。
余韻を楽しむように、何度も軽いキスを繰り返す。
ちゅ、ちゅっとと音を立てて口を離すと、蕩けてしまっていた総悟は赤く充血させた目で土方を見た。

「……もう、いいから、い、れて…」

口の中のチョコレートのような甘い声で、絶え絶えの呼吸をする総悟が土方に懇願する。

「…ああ、俺も限界だ、」

そういうや否や、ぬるりと粘膜を捲るように土方の膨れ上がった先端が狭い口を押し広げ、進んでくる。

「……ひゃ、っ…!」

総悟は背を逸らせて一瞬瞠目し、眉目秀麗な顔が苦しげに顰められる。
ゆっくりと土方が動き始めると、後ろに入っている土方のものが肉壁越しにごりごりとこすれ、総悟は快楽から逃れようと声もなく首を振る。

「やあぁ、っ……ん、もやだ、…ふぁ」
「こんなにヨがって何言ってやがる。ぐりぐりすると気持ちいんだろ、」

総悟の熱い中で、どろどろに溶けている感触がする。いつもとは違うぬめりも気持ちいい。

「…ぁん、やあぁあ、んっふ……」
「…ぎゅうぎゅう締め付けて、引きちぎられそうだ」

ぎちぎちに締め付けられた中を土方がゆっくり腰を引くと、湧き上がる愉悦に堪えている総悟が甘い声を漏らす。

「んふぁ、っ、あああん、や、もでちゃう、ぁっ…」
「かわいい顔して煽んなよ、」
「ひゃぁ、あん!ひじ、かたさん、ひじかた、ああん、おく、だ、めぇ……っ!」

凝った熱を吐き出して達した総悟はぴくぴくと内側をひくつかせ、息を詰めて自分の胸に白いものを飛び散らせた。

「…っ。きもちいい、ぜ…総悟」

同時に収縮する中に締め付けられて、土方も吐精した。

「ひじかたさんの、……あついの、でてくる」
「……いっぱい出てくるな」
「きもち、よかった?」
「ああ、すんげぇ美味かったぜ、」

引き抜くと、ゆるんだ穴からどろどろと白いものが垂れて総語の足を汚していった。
部屋の中には、甘ったるい香りが漂っていた。


チョコっとラブ




20130214


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