拍手御礼 03

和泉西→▼一緒に学校に向かう









 いつも最寄駅から15分程乗る電車は、目的の駅に着くまで開く扉が右側と決まっていた。
 だから、西を連れて電車に乗る時には必ず奥の扉の前まで行って、自分の影に小さな身体を庇うようにしている。
 ラッシュ時に乗ると、いつも西の頭は人の波に埋もれてしまっていた。
 息ができない、空気が薄い、と西はたまに文句を言っている。
 それなら、と一度壁になってやったらえらく快適だったらしく、今も上機嫌で外の景色を眺めていた。 
「……西」
 呼びかけると、ドアに手をあてたまま振り返る。
 俺はその手の横に肘をつき、後ろから身体を密着させた。
「なッ……」
 しー、と小さな声で耳元に警告した。
 ドアの端のポールのある部分に西の身体を寄せ、どんどん混んでくる車内に乗じて腰に手を回した。
「!」
 西がビクッと身体を竦ませる。
 俺の手の触れ方で、何をしようとしているのか察したようだ。
 カンのいい西はいつも俺の機嫌を読むのが早かった。
 昨夜も自宅へ連れ帰って抱いたが、最近は西の抵抗に腹を立ててキツイ責めをする事が少なくなっている。
 風呂場に引っ張り込んで身体中をローション塗れにさせて抱いても、湯の中で浮力に助けられながら持ち上げて滅茶苦茶に腰を打ちつけても、西は泣きながら受け入れている。
 進歩なのか、諦めているのか、それは判らなかったが。
「……、い、ずみ」
 囁くような声が、西の唇から漏れた。
 その抗議するような響きに、唇の端を上げる。
 密着した身体の振動で俺が笑ったのを感じたようで、西は僅かに震えた。
 腰に回した手を少し下げて、ブレザーの制服の前へ忍び込ませる。
「ッ……」
 服の上から指で愛撫する。感じやすい西の身体は、軽く押しこむような刺激だけでも反応を示した。
 微妙な強さで撫でたり摘まんだりを繰り返すと、銀色のポールに掴まったまま西が俯く。 
 腰がだんだんと引けてきて、俺の方に身体を寄せてくる。
 こちらからぐいっと腰を押し付けてやったら、布越しでも俺の形を感じたのか余計にうろたえていた。
「……、ぁ……」
 手のひらで股を包むようにして持ち上げると、軽い西の身体は少し浮き上がった。
 もう中が濡れてきているのか、触れると温かく、ぬるぬると中で滑っているのが判る。
「……早いな」
 耳元で囁くと、俯いて表情の見えない西が耳の端まで赤くなった。
 布越しに触れる俺の手に、躊躇いがちに抵抗してくる。震える手が重なってきて剥がそうとするのを、俺は笑った。
 本当にそんな抵抗で逃げられると思ってるのか? 
 それとも、ただ抵抗しているフリがしたいだけか。
「……」
 俺は無言のまま拘束を緩め、悪戯している手を引いた。
 すると、西は訝しむように横目で俺を見てくる。
 その目元が薄っすらと赤く染まっていて、色っぽい。
 もっと快感に蕩けさせてみたいと思った。
 俺は唇の端を上げて笑いながら、ポケットから携帯を取り出して見せる。
「……?」
 不思議そうに眉を寄せるだけで、西はまだ俺の意図に気付いていないらしい。
 携帯を開いて幾つか操作をし、閉じる。
 それを持ったまま、逆の腕で西の身体を抱き寄せた。
「!」
 携帯を西の下肢に押し付ける。
 それはすぐにアラームの機能でバイブレーションを始め、抱きこんだ西の身体が硬直した。
 いつも部屋でする時も始めにバイブやローターを使うせいか、西はこういう刺激に非常に弱い。
 機械的な刺激を受けると、行為のスイッチが入るようだった。
 それだけはいつも慣らしている成果、と言えるか。
「……ッは」
 携帯を押し付けている俺の手に、西の爪が引っ掛かった。
 力の入らない手で引っ掻かれるのは、殆ど痛みを感じない。
 ただ引き剥がしたいという意志は前より強いようで、下肢の膨らみの状態からも切羽詰まっているのが窺える。
「……」
 そろそろバイブの音に周囲が気づきはじめた。
 乗客が自分の携帯かとキョロキョロ鞄を見始めたりしていて、西は一層緊張したように身体を縮める。
「西、お前携帯鳴ってんじゃねぇ?」
 腰に回していた手を肩に移し、ぐっと身体を寄せて問いかけた。
 ついでのように手元の携帯も強く西自身に押し付ける。
 するとビクンッと西の身体が震えてその頬が赤く染まった。
「……西?」
 不思議そうな響きを装って問いかけると、「あ、ああ」と掠れた声で返事をしながら西の手が俺の携帯にかかる。
 俺はもう一度ぐいぐいとそれを押し付けてから、携帯を離した。
「ッ……ぅ、」
 西の手に渡った携帯はすぐにアラームを切られる。
 俺は後ろからそれを覗き込んで、耳元に吐息を吹き込むように喋った。
「なんだ、目覚ましの切り忘れか?」
「……うん、」
 うつろな声で返事をしながら、西は震える手で携帯を握りしめていた。
「お前いつもこんな時間に起きてんの? 遅くないか」
 話しかけながら、また前に手を伸ばした。
 触れてみると少し濡れた感じがする。
 これはイッたか? と思いながら上からそこを撫でると、僅かに粘着質な音がして、西は俯いたまま涙を零した。
 
 瞬間、こちら側のドアが開く。
 もう駅に到着したのか、と思いながら出ようとすると西の姿が見えない。
「……」
 俺は改札に押し寄せる人の波から外れ、ゆっくりとトイレに向った。
 朝のラッシュの時間帯に、この場所だけは酷く静かだ。
「……っく」
 堪えるような嗚咽が聞こえてくる。
 閉じた扉の前に立ち、その上の縁に手をかけた。
 俺の身長からみれば大した高さじゃない。
「西。……泣いてないで開けろ」
「……」
「開けなきゃ飛び越えるだけだが、……逆らったら損するのはお前だろ?」
 カチン、と音がして鍵が開き、戸が軋みながら開いた。
 バチバチと電子の網のような光の中から西の姿が浮かび上がる。
「いつまでも世話の焼ける……」
「! い、和泉ッ!?」
 俺はそのまま中へ入って、再び鍵を閉めた。
 西を便座に座らせて、抵抗を押さえつけたままベルトを外す。
 開けてみると案の定、下着は精液で濡れていた。
「あんな場所でイクなんてな、……実は見られるのが好きなのか?」
「ち、……ちがッ……ッん!」
 イッた証拠を突きつけるように下着の上から触れると、まだ硬く熱が残っているのが判る。
「中途半端」
「う、るさッ……ヤ、離し、ッ」
 制服に染み込む程は出ていないらしい。
 ベルトの重みで下がる制服をそのままに、下着の上から弄ってやると西は息を乱して善がった。
 腰が揺れてるぞ、とからかうと顔を真っ赤に染めて目を逸らす。
「ん、……っん、んん、ッ!」
 涙目で声を堪え、西は再び下着を濡らした。
 震えながら息を吐いて、しゃくり上げる。
 俺はそのまま西の下着を下ろして片足を担ぎ上げた。
「ひ、……ヤ、待ッ」
 一気に奥まで腰を打ちつけると、今朝方まで俺を受け入れていた中はすぐに馴染んで蕩けるように包みこんでくる。
 相変わらず具合がいいなと思いながら腰を揺らすと、西が自分の制服の袖口を噛んで声を堪えていた。
「……今日は下着無しで登校するか、このまま帰るか選べ」
 涙の滴を纏った睫毛が、ゆっくりと瞬く。
 俺を見つめる瞳が快感に彩られていて、余計に煽られた。
「ん……ぁ、」
 首を横に振るその仕草は、何に対しての否定なのか判らない。
 まあ、俺と帰るのが恐ろしいのかもしれないな。帰ったら確実にまたベッドの上だろう。
「嫌なら、帰りたくさせてやろうか」
「!!」
 何度も腰を打ちつけながら、西のイイ場所を擦り上げて耳元へ囁いた。
「ローター、この場所にあたるように入れてやるよ。電源は入れっぱなしで」
 嫌だと頭を横に振るのを、笑いながら追い詰める。
「そのまま登校出来るはずないよな。……さっきと違って下りの電車は空いてるし、……」
 ガクガクと揺さぶられながら、西は俺の言葉に煽られたように中を締め付けてきた。
 期待してるクセに否定ばかりする。本当に世話の焼ける奴だ。
「また15分間、堪えられないなら始めから消えててもいいぞ」
 そうしたら逆に俺のやり放題だけどな、と思いながら唆す。
「ん、ヤ、……も、……ぁッ」
 キュウキュウと締め付けてくる西の中に、そのまま注ぎこむ。
 びくびくと身体を震えさせながら西もイッた。
 中から残滓がこぼれ出てくる前に卵程の大きさのローターを押しこむ。
 俺の精液で濡れ、蕩けきった穴は抵抗もなくそれを飲み込んだ。
「ヤ、嫌だ、……取っ、て……」
「濡れた下着は捨てて来い。……ほら、泣いてないで帰るぞ」
「許し、……も、無理……」
 腰が砕けているのか、入れられたままでは歩けないと泣く西の顔を覗き込む。
「……逆らって、後悔するのはお前だ」
 ビクッ、と西の身体が竦んだ。
 俺の言葉に抵抗をし続ければどうなるか、散々身に染みて判っているはずだった。
 それを思い出したようで、西は赤い目を擦って涙を拭うと身支度をはじめた。

 先に個室を出て、床に転がっている俺の携帯を拾った。
 さっき西が慌てて個室に籠る時に落としたんだろう。
 フリップを開くと、時刻はもう授業の始まる時間だった。
 これは元から行っても無駄だったな、と思いながら携帯を閉じる。
 それを鞄の中へ放ると、後ろで戸が開いて西がふらりと出てきた。
 手にはコンビニのビニール袋が丸められていて、その中に濡れた下着を突っ込んだらしいと判る。
「持って帰るのか?」
 ぶんぶん、と首を横に振った西の手からそれを奪い、ゴミ箱に捨てた。
 西の腕を掴み、先程とは逆のホームへ向かう。
 俺に連れられて歩く西は、中の異物が気になって上手く前へ進めないようで、何度か躓きながら着いて来る。
 その度に中を突かれて、涙を滲ませていた。

 そのうちガラ空きの下り電車が来る。
 座って電車の振動を受けたらこいつはどうなるのかと、今から楽しみで仕方なかった。

 

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記憶失う前の和泉の、ド鬼畜エロです! 
この後は散々電車の中で泣かされた後に家でもヤられます。
ヤってばっかでどうしようもないな。

(すみませんこんなんばっかで……orz)


2011/05/17




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