拍手御礼

▼和泉西→お道具で責める















「今日は、どれがいい?……って、お前には選べるわけない、か」
「ん、っ……ひ、……っあああっ」
 グロテスクな形をした小ぶりなバイブを選び、無造作に西の中へ押し込む。
 シーツに伏せた腕の隙間から引き攣ったような悲鳴が上がった。
 そのくせ、先程からジェルを足しながら指でしつこいくらいに解した中は、ずるりと抵抗なくそれを飲み込んでいく。
 華奢な白い背中がビクビクと震えた。
「普通のモノ銜えさせられるのも飽きたろ?」
「ヤ、……ぁ、あ、ッ……」
 指で深くまで押しこむと、イイ場所を擦ったのか西が唇を噛んで喘ぎを堪えた。
 いまだに声を上げる事を嫌がる、その様子さえ可笑しくて相手の顎に手を伸ばす。
「声が出るのがそんなに嫌なら、塞いどくか」
 そう言いながら唇の端を上げて笑うと、西は俺を見上げたままみるみる青ざめた。
 そろそろ何をさせられるか、判ってきたらしい。
「い、ずみッ……! んぅッ……」
 拒絶を口にする前に、薄い小さな唇に自分のモノを押しこんだ。
 西は咳こみそうになるのを堪えながら、諦めた表情でそれを舐めはじめた。
 以前銜えるのを嫌がってそれに歯を立てようとした時、咎められたのを思い出したらしい。
 手持ちで一番太いディルドを詰め込まれたまま服を着せて外に連れて行かれたのは相当堪えたようだ。
 いつもこうならいいんだが。
 そう思いながら、バイブのスイッチを入れる。
「ふ、ッ……ん、んんぅ、んっ……!」
 俺のものを銜えているせいで呼吸が上手くできないのか、西が呻きながら目を潤ませた。
 それでも懸命に歯を立てないようにしているのを眺め、いっぱいになったその頬に指を滑らせる。
「上手く銜えられるようになったじゃないか」
「……ッ!」
 キッ、と生意気な光がその目に灯った。
 そうだ、この目がいつも俺を再現なく煽っていく。
 そのたびにやり過ぎていた。
 でも、こいつの目に責任がないと言えるか? 
 こんな色気駄々漏れで?
「上もそうだが、こっちも上手くなったな」
「……!!」
 西の中に指を入れて、振動しているバイブの端を掴み上下に揺らした。
 どろどろに蕩けた内壁は柔らかい。
 これが、突かれる度に食い千切りそうな程締め付けてくる名器だと俺は知っている。
 触れる度にもっと欲しくなっていった。
 貪ると、飢餓感はどんどん増していく。
 この身体自体が性質の悪い麻薬のようだった。
「どうした、痛みはないだろ?」
 ガクガクと震える腰が崩れ落ちた。
 力無くシーツに倒れる西の唇から、ずるりと俺のモノが外れる。
 唾液に濡れて光る唇が荒い呼吸を繰り返していて、その色香だけで煽られた。
 身体の奥に熱が籠るのを感じる。
 相当頭をヤられてるなと俺は苦笑した。
「っひ、……ヤ、ぁ、やあああっ!!」
 バイブの出力を最大にすると、高い悲鳴が上がる。
 シーツの上で身体を縮めながら頬を染めている姿は中学生とは思えない色気を発していた。
「……どうした、好きだろ? こういうのが」
 西は荒っぽいくらいの愛撫をするほうが、優しくされるよりもイイようだった。
 泣きながら射精衝動に腰を振って、それでもイクことが出来ずに俺にねだる様を見るのは楽しい。
 その時ばかりは、こいつが俺のモノだと実感できる。
「……俺も大概捻くれてるな……」
「……?」
 息を乱しながら涙目で見上げてくる西に、俺は目を細めて笑った。
「バイブの後ろから、犯してやろうか。きっと奥まで届いて善がり狂えるぞ」
 脱力してシーツに伏せてしまっている腰を引き寄せるようにして持ち上げ、肉の薄い腹の下に枕を押しこんだ。
 驚いたように目を見開いた西は、慌てて首を横に振り俺を振り返る。
 怯えを含んだその視線が心地良くて、する気もないのに脅しの言葉ばかりが口をついて出た。
「ああ、それとも別のバイブと二本差ししてみるか。どこまで広がるかな、……それとも裂けるか……」
「ヤ、……イヤだ、いずみッ」
 懇願するような声音になってきた。
 ようやくか、と思いその顔を覗き込むと、西は緊張したような面持ちで一瞬言い淀む。
「……、て、」
「聞こえないな」
 駄目出しをしながら、西の閉じた入口を指で弄る。
 つつくとそこは怯えたように縮こまるクセに、中のバイブの振動に蕩けきっていた。
「……入れ、てッ」
「何をだ?」
 白々しく問いかけながら指を挿入する。
 バイブの端を掴み、ズルズルと引っ張り出した。
 敏感な内壁を擦られて感じたのか、西の唇から艶めいた喘ぎが漏れる。
「んっ、あ、……っは」
「続きはどうした」
「だ、ッて……お前が、ッ!」
 抗議するように睨んでくる目が、快感に潤んでいた。
 もう少しだな、と思いながら一度ギリギリまで引き出したそれを押し戻す。
「イ、ッや、……いずみッ、も、……ッ」
 涙腺が崩壊したのか、ぱたぱたと透明な雫がシーツを濡らした。
 促すように見つめると、震える唇が薄く開く。
「和泉、の、がいいッ! 入れてッ……」
「ようやく言えたな、……ったく、いつもながら時間のかかる……」
 呆れたように装いながら、俺はバイブを抜くとベッドから放り捨てた。
 息も絶え絶えなほど善がっていたその中に、一気に自分のモノを突き入れる。
「っ!!」
「……ッ」
 声も出ないのか、西は息を飲んで俺の身体に縋りついてくる。
 相変わらずの締め付けに俺は眉を顰めた。
 いくら慣らしても毎回入れる時には初めてだとでもいうように食いついてくる。
 抱き慣れているのに、馴れない身体だ。

 ああ溺れてるな、と頭の端では自覚していた。
 俺は西に溺れてる。
 頭の中も、身体も、全部がこいつにハマってるんだろう。
「西」
 呼びかけると、ふっと涙に濡れた瞼が開いた。
「……俺を見ろ」 
 両手で頬に触れて、顔を近づける。
 その瞳の中に自分だけが映っているのを確認して、安堵した。
 ガキくさい独占欲だ。俺らしくもない。
「い、ずみ……?」
 訝しげな声を無視して、俺は動きを早めていく。
 西は快感に追いたてられて、意味のある言葉を発さなくなった。
 あとはただ、本能のみで貪るだけだ。
 まるで獣みたいに西を喰い尽す。

「……西、」  

 呟くような呼びかけは、もう西には届かなかった。






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優しくしたいような気もするけど泣いて縋ってくる西君が好き、ていう。
捻くれ者のうちの和泉。


2011/05/13




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