小説 | ナノ
彼女との昼休み

昼休み、教室で昼を取る奴と移動する奴は半々ぐらい。いつもより広々と感じる教室で俺と名前は過ごしている。ここに大地がいたり、たまに旭がいたり。旭は色々あって最近は来ないけど…

最近ハマっているらしいホットサンドを鼻歌を歌いながら取り出すこの女子に、自分で言うのも何だが懐かれている。

「今日はチキンとトマトだっちゃ!」

名前という女は、最初から男女2人であることを感じさせない奴だった。がさつで男っぽいとかそういうんじゃなくて、ノリが男友達と変わらないというか。説明するのはちょっと難しい。自然体すぎてどこでも溶け込める奴なのだと思う。子供っぽいとも言うかな。

黙々とこんがり焼き目のついたパンを小さな口で食べている。髪を耳にかける仕草とか、普通にそこらの女子高生。うっかり可愛いと思ってしまうことだってある。

「黙ってれば可愛い系?もったいねえなぁ」
「思ったことストレートに口に出すのやめてくれます?てかそれめっちゃ言われるやつー」
「可愛いって言われるうちが花だべ」
「それもそだ。黙ります」

1年の時は付き合ってるんだろとからかわれたものだけど、もう同じ学年で言ってくる奴はいなくなった。名前が面白がってスガとは許婚だとか言ってややこしくなったこともあったけど。
今では2人でいることに、俺達も周りも慣れすぎてしまった。

名前に会ったのは高校入ってからだけど、幼馴染とか双子の妹とかいたらこんな感じなのかなと想像したりする。
この前俺に彼女が出来たら〜とか言ってたけど、俺だって名前に彼氏が出来たら嫌だ。なんかむかつく。だからと言って自分が彼氏になるというのも違う。

「おいっ横からトマト出てるって!」
「あ、落ちた。3秒ルール!」
「汚いからやめろよ!」
「スガの机綺麗だから大丈夫だよー。」
「名前の机よりは綺麗だと思うけど…」
「失礼。爽やかと見せかけて失礼な男、菅原孝支」

この関係が、卒業して、大学生になって、大人になっても続けばいい。そんな関係ってありえるのかなとか考えたりするんだ、こいつといると。


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