「うーん……」
自分は間違ったことをしたのだろうか?あのまま無理やりにでも流れに身を任せていれば良かったのか?考えても答えは出ない。ぐるぐると同じ場所を回っているといきなり、声をかけられた。
「かなこさん……?どうかしたんですか……?」
「イリマ……、さん……?」
ちょうど近くを散歩していたのでね、そう言うイリマはいつ見ても育ちが良さそうである。せっかく声をかけてくれたのだ、せめて話だけでも聞いてもらおうか。
「ちょっと聞いてほしいことが……。」
そう伝えるとボクの家にどうぞ、とあの豪邸へと案内してくれた。室内は自分の家とは比べ物にならないくらいに広く、目を輝かせながら辺りを見渡した。
「そんなに珍しいですか?さあ、ここがボクの部屋です」
キョロキョロと大きな瞳を動かしている様子がとても可愛らしくて、思わず顔を綻ばせたが次の瞬間、思いもよらぬ発言が耳に入ってきた。
「わぁー!イリマさんのベッドふかふかー!ねえ、ダイブしてもいいですか!?」
「……え?まあ……、いいですよ……?」
ダイブ……?この時イリマの頭にはたくさんの?が浮かんでいたという……。
「ひとまず、ティーを持ってきましょう。ここで、待っていてください」
お茶とお菓子を片手にかなこは昨日の出来事を話した。ふむふむと相づちを打ちながら、話の終わりのタイミングを見計らってイリマはこうアドバイスをする。