「かなこちゃん…聞いてもいいかい?」
「…はい、何でしょう」
「きみはいつから、ボクの事を…?」
ニヤニヤそう聞いてくるダイゴさんはきっと、何となくわかってたのかな、そう思ったりもする。
「どうだろう…。自覚したのはやっぱり、カロスに行ってから…だと思います。それまでは、何ていうか、具体的に言葉にできる気持ちではなかったといいますか…」
その答えにありがとう、と答えてくれるダイゴさんはまた素敵。過去より今だよね、なんて言ってる。
「それに…。今まで、片想いでもいいから好きでいたいって思った人、いなかったから…」
「かなこちゃん…」
ふわりと優しい香りが私を包む。あの時とは違う、安心する温もり…。
「ダイゴさんは…、いつから私の事を…?」
前に聞こうと思った時は、誤魔化されちゃったから。ボクはね…と少し答えにくそうに話してくれた。
「きっと…きみが世界を救った時から、惹かれていたんだと思うよ。もちろん…、カロスでの旅がボクたちの距離を縮めたんだけどね?」
…っ!茶目っ気のある顔がまた、カッコよくて…。カロスで感じた甘くて、切ない気持ちは今でも…、大切な思い出。
「また…行きたいです、カロスに」
「うん!きみとなら、きっと何度行っても楽しいよ!」
ダイゴさん嬉しそう…。また輝きの洞窟とかに行きたいんだろうな…と思ったのは内緒だけど。次の日は、モーモー牧場に寄って、二人並んで夜空を眺めた。
「…少し冷えてきたね」
……っ。軽く身震いした私の肩にジャケットをかけてくれるダイゴさん。…ちょっと重い。でも…、上着を脱いでるダイゴさんもまた、カッコよくて…って!まさかダイゴさん…、くしゃみ、したワケじゃないよね……?
「…ん?かなこちゃん…まさかボクがくしゃみなんてするワケ……」
…もう。そんなダイゴさんが急に愛しく思えてぎゅっと抱きついたら、赤くなりながらも微笑んでくれる。
「あ……」
何だか…、二人の距離が縮まった気がして。穏やかな空気が流れてるのを幸せに思いながら、眠りについた。