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「かなこ、オレと一緒にヨロイ島に行くぞ!」
「ヨロイ島?」

ホップ、マリィ、ビートくん、あたしの4人はビートくん…じゃなくてポプラさんの家でお泊まり会をすることになった。ビートくんには厳しいみたいだけど、ポプラさんって面倒見はいいし、基本的に優しい人だと思う…試合中は鬼だけど。

「何もないがね。ゆっくりしていきな」
「ポプラさんはもう休んでください、あとはぼくがやりますから」
「おやおや。あんたが一人でできるとは思えないけどねえ」
「できますよそれくらい!あなたに毎日しごかれてますからね…!」

ビートくんのその発言を聞いてマリィとホップは爆笑。ああ、やっぱりこういうの、いいな。落ち着くっていうのは、こういう気持ちのためにある言葉なんだと思う。

「かなこのパジャマ、かわいか。な?あんたたちもそう思わん?」
「えっ!な、何言い出すの?マリィ」

泊まりの定番と言えば、パジャマパーティー。ビートくんの部屋に集まり、お菓子をつまみながらわいわいやってるなんて、青春だ。たまには、チャンピオンだって普通の女の子に戻りたいもん。

「そうだな…かわいいぞ…」
「ま、馬子にも衣装なんじゃないですか」
「本当、素直やないね。知っとーよ?あたし。あんたたち…」
「少し、黙っててほしいんだぞ…」

へへ、みんな楽しそう。最近の話からポケモンのこと、それから、ジムチャレンジに向けてとか。いろんな話題で盛り上がってるうちに、マリィとビートくんは眠りに就いていた。

「ここから、近いの?」

ホップはソニアと二手にわかれて調査をする計画を立ててるんだと得意げに話してくれた。チャンピオンカップが終わったら、一緒にどうかって。そうか、チャンピオンカップ…だからもしかしてあたし、狙われてるのかな?犯人はダンデさんのファンなのかも?そう思ったら、俄然やる気が出てきた。

「終わったら、連れてって?ホップ」
「お、おう!もちろんだぞ!けどかなこ…その、言いにくいんだけど…」
「へ?なに?もしかしてやっぱりダメとか?」
「違うんだぞ…その、いつもよりふわふわしてるから、触りたくなって…って、何言ってんだ、オレ」

そう言うホップの頬は赤く染まっていて…、あたしもそうだけど、彼も着実に大人に近づいてるのかな、なんて。もし、キバナさんに同じこと言われたら、ドキドキするの……?

「わ!かなこ!?」
「な、何でもない……!」

いきなりベッドに頭を打ちつけたから、ホップが動揺してる。わかってる、わかってるけどあたし…変だ。どしてそんなこと考えちゃうの…おかげで、この先に待ち受ける恐怖のことなんて、頭の中からすっかり抜け落ちてしまったんだ…。


bkm
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