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拍手ありがとうございました!!
女主ちゃんが鳳雛の巣に落ちてしまった話。

−−−−

「お前さんは良いねぇ、とっても自由そうだ。」
「ホウ統殿も十分自由人じゃないですか?」
「そう見えるかい?…うーん、意外とそうでもないんだがねぇ…?」

さぷ、と水音を立てて、ホウ統殿が口布を濯ぐ。予備のものを洗濯しているらしい。
元々の真っ白さを保っている所に、彼が軍師たる几帳面さも持ち合わせているような気がするのは私だけなのかな。きっとあの軍師もそう思っているはずだけど。

「鳳雛ですよ?鳥はどこへだって飛べます。」
「ははぁ、雛は鷹に狩られちまって終わりさね。出歩かないのが一番だよ。」

それに今のあっしは蛾だからねえ、と言って、ホウ統殿はふっと顔を上げた。
白い服が清廉さと少しの不気味さを発し、額に挿された二つの羽が生き物のように揺れる。その様はまさに蛾。

「あっしみたいな醜男は、蝶にも鷹にも及ばんさ。」

そう言って笑ったホウ統殿の手が、洗い終えた真白の布を握りしめているのに気づかないフリをした。

「……いづめこって知ってますか?」
「なんだいそいつは。」

小さい子が出歩かないように、籠(いづめ)の中に毛布と共に押し込めることです、と言えば、ホウ統殿は眉間にシワを寄せる。
…ははぁ、何が言いたいか分かったって顔ですね。

「今のホウ統殿、あんまり白いんで、外に出したくなくなるなぁって。」
「よしとくれ、どこぞの臥龍より質が悪い。」

肩をすくめて立ち去ろうとする彼の後ろを追って、その手を急に握った。
ビクリとした後に、立ち止まってこちらを見たその瞳は、存外透き通っている。

「あんた……。」
「私、もういづめこなのかもしれません。」

いづめこ

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