アナタの前では…
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財前とユウジが幼馴染み。
ユウジは中一、光は小四。
最近、ユウジさんが遊んでくれなくなった。というか最近ユウジさんに会っとらん…。
そりゃあ、ユウジさんも中学生になって他の友達と遊ぶことが多くなるやろうということは薄々分かっとった。やけど、家が隣なんに会わないってさすがに変や。
と、思い強行突破でユウジさんの家に行ったのが昨日の話。ユウジさんはまだ帰って来とらんとユウジさんのお母さんに言われた。6時になっても帰って来とらんちゅうことは、もしかしてユウジさん…不良になってもうたんじゃ!!
※因みに光の家はサイレンが鳴る前には家に帰れと言われていた
(←だって小学生だから)
そして今日。
しゃーないから俺は中学校にまで行き、待ち伏せしようという考えにまで至った。やっとることはストーカーみたいやと自分でも分かっとるけど小学生やから許される……はずっ!
小学の方が終わんのは早いから絶対に待っとったら会えるはずや。気長に待てばええ…。
…と、考えとったのが30分前。
「僕どうしたの?」
「ちっちゃくて可愛い〜」
「お兄ちゃんかお姉ちゃんに用事があるのかな?」
「ロックオーンッv」
学校からようやく人が出てきたと思ったらこの様や。年上の女の人(+オカマ)に囲まれてしもた。モテる男は辛いっちゅーことやな。いや、そんなんはどーでもええ。肝心のユウジさんが出てこん。もしかして囲まれとる間に通ってしまったんやろか…。それやったら完全に無駄足や!よし、こうなったら最後の手段や!!
「ユウジさん、おりますか?」
人に聞く。
最初っからそうすればええやんとかそういうツッコミはなしやで。知らん奴に聞くのってごっつ恥ずかしく感じる年頃なんや。
「ユウジ?それってテニス部の一氏くんのことかな?」
「それやったらうち、今から部活に行くつもりやし、ついでに連れてったるわ」
オカマの人が行こか、と手を差し伸べてくる。どうやらユウジさんの知り合いのようやし気分は乗らないが俺はその手をとった。ここで振り払ってそれがユウジさんの耳に入んのも嫌やしな。
「それにしても、ユウくんに弟なんていたかしら?お兄ちゃんならおるって言うとったけど…」
…………今、何て言った?
このオカマ。今“ユウくん”って言いやがった。小さい頃からずっと一緒にいた俺のユウジさんに………馴れ馴れしく…。
ユウジさんも何でこんなオカマと知り合いなんやろ…。もしかしてこの人……ユウジさんの追っかけ?あり得るわ。ユウジさんホンマかわいすぎるしなぁ。俺までもが学校にまで押し掛けたくなるくらいやから、他の奴も追っかけたくなるのも分からんことはないわ。
「着いたわよ」
ブツブツとそんなことを考えているとどうやらテニス部に着いたらしい。黄色と緑という派手な色の服をきた人達が何かを振っていたり、打ったりしていた。
「(目に毒な色やな…)」
そうは思うが、取り敢えずユウジさんを探す。探しとると銀色の髪とその隣に見覚えのある緑の髪を見つけた。
「ゆ…「ゆうくーんv」……」
思わず名前を呼ぼうとしたらオカマに邪魔をされてしまった。舌打ちをしそうになったが俺はその後に起こった光景のせいでそれは出来なかった。だって…
「小春ぅぅぅぅv」
抱き合っているユウジさんとオカマ。いや、ユウジさん!?ホンマにユウジさんっすか!?こんなにええ笑顔のユウジさん初めて見たんっすけど!!
唖然と言うか、呆然としていた俺とオカマと抱き合っているユウジさんと目が合い、そこで漸くユウジさんは俺の存在に気づいた。
「光っ!?えっ、ちょっ、何でここにおるん!!」
オカマから勢いよく離れ、俺の肩を掴むユウジさん。少し優越感があったけどそれでもさっきまで抱きあっとった光景が目に浮かび、複雑な気持ちになる。
「あら、この子光くんって言うの?可愛い名前vロックオーン」
「浮気か、死なすど!」
浮気という言葉にさらに悲しくなった俺はつい、オカマに八つ当たりをしてしまいユウジさんに怒られて死にたくなったのであった…
アナタの前では…
(“良い子”でいたかった)
※※※※※
おまけ↓
財「嫌われた。絶対ユウジさんに嫌われたぁああぁぁぁ……」
白「(ユウジがすぐに小春から離れんの初めて見たわ……それだけこの子のことが大事っちゅーことかいな…)」
ユウジの前では良い子な光くん
ユウジは何となく分かってるけど嫌いにはならない
※※※※※
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