03 | ナノ
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『みんなでズラかろう〜』
おぞうの携帯の着信音が響く。よく見つからないものだ。
「んまっ、フラッシュ先生からですわ!きっと今すぐ迎えに行くよ〜とか書いてあるのですわね、ぐふふ…」
ドキドキワクワクしているおぞうは携帯をぱかっと開いた。
『おぞう!ふざけてないで早く帰ってこい!』
「な、なんですの〜!」
フラッシュはおぞうが捕らわれたのをただの遊びだと思っているらしい。
「そうだ!写メをつけてもう一度送ればきっとフラッシュ先生もわかってくれますわ!…えっと、カシャっと」
おぞうはカメラ機能を立ち上げ、檻の写真を撮ってフラッシュに再度メールを書いた。
『ほんとですわっフラッシュ先生!ワタクシ、おさんぽから帰ったらお部屋に全身真っ黒な人がいてワタクシをどんどこ王国へ連れ去ったのですわ!助けて下さいませ〜!』
しかしフラッシュから数分後に返ってきた返事は
『ふざけんな』
その後もフラッシュとのやり取りは続き…
『…はぁ、わかったよ迎えに行けばいいんだろ?』
ついにフラッシュが折れた。
「フ…フラッシュ先生がワタクシを檻から救い出して下さるなんて…!ワタクシたらららんですわ!」
檻の中心で不思議な舞を舞うおぞう。
「ああっ、何着て待っていようかしら!
あの黒い人にきれいなドレスを持ってきてもらったほうがいいかしらっ」
すっかり浮かれ気分のおぞう。お前は捕虜の身だろうが。
一方、フラッシュはでんでこ城で身支度をしていた。