02 | ナノ
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でんでこ王国の隣にある荒れ果てた国、どんどこ王国。
ここは自分の事しか考えない国王によって治められている。この国の狙いは隣国『でんでこ王国』の滅亡。荒れ果てたこの土地を捨て、でんでこ王国を乗っ取り新たな王が国を治めようとしている。

その次期王候補が、この黒装束の男…『丸出し』だというのだ。

丸出しはでんでこ王国から連れてきたおぞうをどんどこ城の檻に投げ入れた。

「ふぎゃっ!」
「そこで大人しくしてるんだな」
ぎゃはは、と笑いながら丸出しは去っていった。

「出しなさーい!出して下さいましーー!」
どんなに叫んでも、どんなに檻を蹴飛ばしても、檻は開かないし誰も助けに来ない。

「ううっ…せめてもう一度フラッシュ先生に会いたいですわ…
フラッシュしぇんしぇ…」
おぞうは携帯を取り出し、メールを打とうとする…が。

「…そうですわ!これでフラッシュ先生に助けを呼べばいいのですわ!」
今更気づくおぞう。

『フラッシュ先生、ワタクシは今どんどこ王国のお城に連れ去られてしまったんですわ!
白いおうまさんで迎えに来て下さいませ!』

「これで完璧ですわ!送信!」
ぽちっとおぞうは送信ボタンを押した。


――でんでこ城
「はぁ…またあいつのせいで国の借金が増えたじゃない…」
彼女は紫式部。家臣フラッシュの部下だ。
「お金がないなら作ればいいのにね〜」
「ま・く・ら・よ♪」
その隣にいるのが同じくフラッシュの部下の清少納言と枕草子だ。二人はとても仲がいい。
「お前ら…、簡単にお金は作れないんだぞ?」
フラッシュはそんな三バカ部下に呆れていた。そんな中、フラッシュの携帯が鳴った。
「お、なんだなんだ…っておぞうからじゃんか」
メールを開くと、先程の文章が出てくる。
「はぁ?捕まった?白い馬?なんだこれは」
「どうせまたフラッシュ先生に構ってほしいんでしょ!」
紫式部はそう言い張る。実際そうなのだが。
「白い馬…この国にいたっけ?」
「ま〜くら!」
清少納言の質問に枕草子は首を降った。
「じゃあ返事出しておくな」
フラッシュは疲れた顔でぽちぽちメールを打っていた。
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