01 | ナノ
01
------------
ここは、巨漢でんでこ城。
「ふぅ〜、おさんぽおっしまーいですわ!」
おぞうが散歩から帰ってきた。おぞうはきょろきょろと辺りを見回している。
「フラッシュしぇんしぇえは…まだパトロール中ですのね」
フラッシュとはいつも青い鎧を着ているおぞう専属の家臣である。毎日おぞうのわがままに困っているのか、最近白髪が増えてきたと同僚に悩みを打ち明けている。

「仕方ないですわねぇ、携帯で夢小説でも読む事にしますわ!…えっと、『歌の…』」
カチカチとおぞうはでんでこ王国で人気のアニメのタイトルを携帯に打ち込み、夢小説を探す。おぞうにとっては自分が全ての作品のヒロインなのだ。

「…おぞう様」
「ぎゃんっ!?」
突然何者かに耳元で囁かれた。
振り返ると、そこには顔を黒布で覆った黒い鎧の男が立っていた。
「だ、だ、だ、誰ですのっ!?レディのお部屋に勝手に上がりこむなんてっ!」
誰がレディだ。
「ぎゃーっはっはっは!
おぞう様…いや、おぞう!
お前の時代は今日で終わりなんだよ!」
そう言っておぞうを無理矢理抱えあげ、飛びさっていった。よくあんな重いものを抱えられたものだ。
「んぎゃああああ!ワタクシは今から素敵な彼氏のト…」
「だ ま れ」
謎の黒装束は何かを言いたそうなおぞうの口をハチマキで覆い縛った。
「ほがほがほがほーーー!」

そして、黒装束とおぞうはでんでこ王国から姿を消したのだった。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -