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「何をしているの?」


ミカサアッカーマンが戦いの最中立ち止まって俺に問う。


「どうして助けに行かないでここで戦っているの?」


「アイツは喰われた、今は感情的になるよりも任務を続行し未来を今生きる奴らに託すべきだ」


「私には分かる。大切な人を失う悲しさを知っている。だから言う。今すぐ任務なんて捨てて助けてあげて、私が巨人を全て削ぐから今すぐ行って、行かなければ後悔する、力があるなら助けなければならない!!あなたはあの人を守る義務がある!!」


ー…リヴァイのことが


そう、確かにアイツはそう言ったのだ。
"飲み込まれる"寸前に。
飲み込まれる…?
そうだ、ハイネは巨人に"丸飲みにされた"のだ。
まだ、生きている。
巨人の腹の中で生きている。


「ハイネ、」


気が付けば俺はあの奇行種を追っていた。


ー…死ねよ、チビ
ー…お前じゃなきゃ駄目なんだ
ー…リヴァイ


「お前は俺が殺すんだから勝手に死んでんじゃねぇよ、」

発見した3メートル級の奇行種。
口を開けて俺に襲いかかってくる。

俺は自ら奇行種の腹の中へ飛び込んだ。
幸いにも3メートル級だ。
消化器官も何もないコイツの中に入るのは容易であった。
汚いソイツの胃液のような熱い液体の中に浮かぶハイネを見つけ立体機動装置を巨人の内部の壁に刺してバランスをとりながらハイネをすくい上げた。
微かな呼吸音に息を吐く。
最初に感じたのは熱い、だった。
もう少し遅れていたら危なかったかもしれない。
そして次は重い、立体機動装置と液体を含んだ服が。


「ハイネ、帰るぞ」


ぐっと力を込めて抱き締めて立体機動装置で飛び上がった。
口まで辿り着けば巨人も最後の抵抗か暴れ回っている。

「暴れんな」


口を切り、外に出て巨人のうなじを削いだ。
唾液と体内にあった胃液のように熱い液体のおかげでハイネはドロドロに汚かった。


「ハイネ、」


自分が汚れてしまうことなど気にもかけずに抱き締めて頬に透明なものが伝うのを感じた。

ああ、俺は、俺はこんなにも。
この一人の人間に必死になって。
反射的に出たものは止まらずにハイネの頬を濡らしてゆく。
お前が何をあの時言おうとしたのかは分からないが、これだけは分かる。


「好きだ、ハイネ、好きだ」


俺はハイネが好きだ。
何でよりにもよってコイツなのだろう。
でも、そうだ。
この感情はずっと前から知っていた。

俺の隣で悪態ついていればいい。
それだけでいい。
本当にそれだけで良かったんだ。
胸を締め付けられる感情に、口付けた。

目を覚ましたら、またお前の声を聞きたい。

何よりも貴方が大切で

リヴァイを泣かせてみたかったです(攻めが泣くっていいよね!という思考です)
中学生の初恋のような反応は、これまでのリヴァイとハイネの恋愛への興味がゼロであったことをしめしています



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