14

「おい、起きろ」


腹部への突然の痛みで目が覚めた。
辺りを見回せば自分の部屋ではない事を思い出し、俺の腹を蹴った張本人を見る。
すでにリヴァイは制服に着替えており、何時も通りだった。
昨日の緩やかな時間は夢だったのだろうか。
早く着替えろと言わんばかりにリヴァイは俺の制服を投げつけた。(俺の部屋から勝手に取ってきたのだろうか、不法侵入だ)
モソモソと着替えているとリヴァイが俺の手をとる。
予想していない行動にギョッとして見るとリヴァイの手には包帯が握られていた。
ああ、なんだ手首の湿布を貼り替えようとしてくれていたのか。
ん、と手を出せば乱暴に包帯を取られた。
もう少し優しく出来んのか、コイツは。
キツく巻かれたそれに動きにくさを感じながら部屋を出て朝食を食べる為に食堂へ向かった。
先に来ていたエルヴィンと目が合って反射的に目を伏せた。
エルヴィンの言葉に逆らったのは初めてだったから。


『リヴァイ』


「あ?」


目を合わせるとギロギロと睨まれた。
この時、既にリヴァイは俺が何をするのか理解していたようだ。
俺は名前だけを呼ぶとエルヴィンの前に立った。
エルヴィンは食べていた手を止めて俺を見る。
ぐっと握り拳を作り、胸に当てて敬礼する。
食堂にいる人間は何だ何だと俺とエルヴィンを見た。


『エルヴィン団長、本日より私ハイネはリヴァイ班を抜け、分隊長に着任致します』


「―…その決断に感謝しよう」


エルヴィンは同じように敬礼するとポンポンと俺の頭を撫でた。
チラリとリヴァイを見ると無表情で俺をジッと見つめていた。
結局、一晩初めて他人と眠ったけれど、このモヤモヤとした気持ちの答えには辿り着く事が出来なかった。
だけれども、このモヤモヤとした気持ちを理由にエルヴィンの命令に逆らうのはどうかと思って承諾したのだ。
本当は分隊長なんか俺には出来ないと思ってる。
何時も俺の傍にはリヴァイがいたから…。


「リヴァイ班を、抜けるんですか?」


エレンが不安げに俺を見る。
巨人になれるやら何やらと言われていたがコイツもただの15歳の餓鬼なのだ。
俺はグリグリとエレンの頭を撫でた。


『リヴァイがいるから大丈夫だろ』


「…はい」


『それに他のメンバーも信じろよ』


な? と言えば「はい」と返されて。
もう一度リヴァイを見ると、まだ俺を見ていたからドキリとして目線を逸らした。

結局離れ離れなのか、



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -