僕が生まれた日、僕は生きるために泣いて、貴女は、絶望に泣き叫んだ。
「おたんじょーびおめでとー」
「ありがとう。もっと感情込めてくれたら、もっと嬉しいのにな。」
「お誕生日おめでとう!」
「ありがとう。」
何度誕生日を迎えても思い出すのは、貴女の泣き声です。
「欲しいものある?あ、僕はあげられないよ?」
「分かってる。っていうか、要らないし。」
「ひっどいなぁー。僕の善意なのにー。」
悪意に満ちた感情で、僕の首を絞めた貴女の両の手。
僕はそれを忘れはしない。
「折角だから、君が大事にしてるもの、それが欲しいな。」
「………命?」
「いや、そんなヘビーウェイトなもの欲しがらないよ。」
僕の首に巻き付いた、細くしなやかな十の指。
今も絡みついてるような気がして、息が出来なくなる。
「んー……僕の大事なもの………あ、いいものあったよ!今、取ってくるね!」
「あぁ、楽しみにしてるよ。」
そうして、銃を手にとって。
銃口を口に入れて。
脳幹をぶち抜いた。
「君は僕で、僕は君で、大事なものは命で、さようなら。」
あんはっぴーばーすでー。
憎まれ役に終末を。
* * * * *
仮面ライダーバースが好きだったんです。
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