お前が私を邪魔するなど100万光年早い、と、貴女は怒ったように言う。その眉間に刻まれた深い皺は、美しい顔立ちを台無しにする。そう言えば、誰のせいだ、と冷たくあしらわれる。気高い精神と、幼稚な自尊心。それすら貴女を飾り立てるなんて、なんて豪華な罪。私にだって自尊心はあるけれど、貴女になら打ち砕かれても構わないのです。早く失せろ、と、いよいよ不機嫌になった貴女に、口付けすら出来ない私は、所詮貴女の副産物でしかないのです。分かっています。しかし、貴女とて、寂しい存在でしょう。誰からも、面と向かってもらえないのでしょう。どれだけ貴女が私を嫌っても、我々は、きっと哀しいほど表裏一体です。

今日も貴女は煌々と輝いておりました。



私の向こう側にて。





* * * * *
金環日食が美しかったので。




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