4.5日目


昨日、校舎裏で傷だらけな高塚さんを見つけた時は驚いた。

とにかく保健室へとも思ったのだが、腕にある切りつけた後から出る血の量の多さに下手に動かさないほうがいいのではと考えた。
どうしようかと考えていたとき、ふと今朝緑間からもらった包帯を思い出した。

俺は少し前に体育会系の部活が集まって手当ての講習を受けたことを思い出しながら、持っていたスポーツタオルでこれ以上血が出ないようきつく縛ってから包帯を丁寧に巻いた。


その手は少し、震えていた。







「なぁ、真ちゃん」

「…なんだ」


高塚さんを病院に連れていくと言って保健室の先生が出した車の後部座席に乗り込み、彼女の頭を膝に乗せて寝かした。
そして高塚さんが転がらないように押さえていると、助手席に座った緑間が振り替えってジッと彼女を見ていた。

彼のポーカーフェイスの中に隠しきれなかった心配そうな表情に驚き、彼と彼女の本来の関係性が無性に気になった。


「真ちゃんと高塚さんってどんな関係、なの?」

「………」


俺がそう聞くと、彼は眉間にシワを更に寄せた。
聞いてはいけなかった内容だったかと内心焦っていると、彼はため息をついてから口を開けた。


「…俺と高塚は昔馴染みだ。親同士が仲良かったのでな。あいつが小3の頃に転校してからは一切連絡は取らなかった。それだけなのだよ」


驚きと安心が俺の心に渦巻いた。
それは顔にもでていたらしく、緑間は小さな声で“馬鹿め…”と呟いた。


「とにかく、まずは高塚を病院に運ぶのが先だ。それから話しはしてやるから黙ってそいつを押さえておけ」


「おーよ」


まだまだわからないことはたくさんあるが、とにかく彼女を守りたいという気持ちだけが今の俺には溜まっていた。





記憶喪失の彼と7日間の恋模様 4.5日目


(俺にとっての高塚さんってなんなんだろう)



……………………………………


高尾視点。
一方だけ書いてるとよくわからなくなるのが私の創作←致命的



(20121210)



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