────…あっちいけ、 だあれ、冷たいめをしているアナタは。 ────…お前がいるから、わたしは父様からも母様からも愛されないんだ。お前なんて出来損ないのくせに…! ちがう、私は出来損ないなんかじゃない。私だって、私だって、今はもう闘えるんだ。 ────…父様も母様ももういないよ。お前もすぐに逝かせてあげる。でも楽にはいかせないよ。大好きな父様と母様のそばで苦しんで、いけばいいの。 床に転がる父様と母様。眠っているようだが胸から血を流している。目の前の影がこちらへ近付いてくると同時に、私も床に崩れ落ちてしまった。それを見ながら、影は笑って去っていく。お腹から流れる血でじっとりと服が濡れていく。ああ死ぬんだ、と目を閉じて少し時間が経った時だった。 「…カンナ?」 だれかが名前を呼ぶが、返事をすることはおろか、指先一つも動かすこともできない。だれか、はそのまま私を抱き上げ、部屋を出る。私は霞む視界で床に転がる父様と母様を見ながら、なすがまま身を任せた。 ×
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