視線が、痛い

お父さんはソファに座り肘をついて私を見ている。重たい空気に押し潰されそうだ




「三年間、協会に拾われていたそうだな？」




取り敢えず一通り謝った後はいたたまれない気持ちに負け、頷くだけで終わる。お父さんは私の三年間の経緯を知っているようなので私が話すまでもないだろう。




「ここへ座れ」




お父さんは自分が座っていたソファの隣へ手を軽く起き、私も素直に誘導通りに座る。ビクビクしていた私を予想外にもお父さんにフワリ、と抱き締めた。てっきり怒られると思っていたからか、思わず目を見開いてしまう




「強く、なりたかったんだろ？ここはお前の家でオレは父親、遠慮せず言えばいい」




懐かしい香り

落ち着く家族の香りと帰る場所が消えていなかったという安心感に溶けてしまいそうだ。




『怒って、ない…？』

「ああ」

『…、協会の人にはゾルディック家の事、バレてないから』




悪名高いゾルディック家の長女が協会に飼われていたなんて罪深い事。当時の私にはわからなかったが、捨て子という事で成り立っていたのが幸いだ




「どうもお前には甘くなる。訓練もキルアやカルトへ目が向く。許してくれ」

『ご、めな…さい…』




お父さんの大きな手が私の頭を撫でる。心地良くて、睡魔が襲って来るほどに。一時の安らぎは早くに去った






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