見 え な い 罠
この先幾年の年付が流れようとも私一人が切っても切り離せない雁字搦めに絡まった糸に捕らわれているのだろうか
ドンドンッ
『ん、…?』
「団長が後5分で起きてこないと置いてくってよ」
『何、で…?』
ノブナガに気を止めずシーツに埋まった身体を起こしゴソゴソと服をまさぐる。昨日の手伝いに使ったナイフがそのままベルトに挿してあった(血ィ拭いたっけ?)早く綺麗にしとかないと。
「お前3日寝てたんだ。いくら呼んでも起きなくてよ、今日は審査の日だろが」
取り出した布でナイフを擦っていた手はピタリ、と止まる。確か手伝いして車の寝てからの記憶はない先程虚ろな意識で聞いた。
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