助けて ×××! 洒落になんない トクンッ─… ドクンッ────… 高鳴る心臓と軋む手足はあの時と同じ血を連想する。一人の少女が建物の裏の溜池前に立つ。ウボォーギンのビックバンインパクトによって作られた巨大な穴に水が張られている。指先を虚ろな目で眺めていると時期に金色の輝きを発した小さく綺麗な球体が現れた。 「ンだ、あれ?」 たまたま通りかかったフィンクスが見たのは神秘的だが妖しい不思議な光球。指先にオーラを集中させると金色に輝いていた光が黒に染められる。鉛玉のように冷たく重みを感じさせる物になった。 「ッ───…!!」 シュウッ───… 一瞬の出来事 池に沈めた黒球と水は暗闇の中にスッポリと収められたように見えた刹那、一滴残らず消える。 『やっぱり、消す力なんだ』 ガシッ──… ガシッ──… 手を見つめ、唇を噛み締めて拳を地面に叩き付けた。何度も、何度も。血が流れるが直ぐに何事も無かったように傷が塞がる。今まで治癒の際出ていた煙は出なくなってしまったようだ。唖然とその光景を見ていたフィンクス、思わず息を飲む。久々に何処か残酷に見えた。 |