黒翼長編 | ナノ





最悪再会






ムスッとした顔をして、アンナは再び拘束されていた。





『わざと逃がしたの?』

「それはどうかな」

『とぼけるな、逃げれないってことを理解させるために、わざと私を逃がしたんだ』





そう、あの後は結局すんなりと捕まってしまった。自分で思う位に格好悪い。急に首にチクリ、と痛みが走ってから動けなくなって、それから記憶はない。しかも、今回はご丁寧にも椅子にくくりつけられ両手は前で一つに、足も足枷が付けられ抵抗すればチャリチャリと鳴った。





「……お前のことについての話しが聞きたい」

『話すことなんてなにもない』





自分の腕の鎖を見つめていたアンナが顔をあげ、その異色の瞳に彼を映し出した。真剣な顔をした彼が椅子に座る彼女に歩み寄り、自ら向かいの椅子に腰を下ろし目線を合わせる。薄暗くても綺麗な深緑の光彩を描く死んだ目はまだくすんだままっだった。






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