あしたのつぎのひ あさひはのぼるかな? 「フィンクスいるか?」 『あ、ちょうどいま屋上に行ったよ。たぶん、フェイタンくんを探してたから』 「・・・入れ違いね」 ふう、とため息をついてから、なぜかじっと、こちらを見つめる彼。視線に耐え切れなくなって、思わずふにゃりとだらしなく、口を歪めてしまった。 『……?』 「よかたな」 『え?』 「フィンクス鈍感ね。またく女心わかてないから」 何のことを言っているのか、わからなかった。フィンクスは、フェイタンくんに私のことについて何か言ったのだろうか。 中学の頃からフィンクスとフェイタンは仲良くなったけれど、私がフェイタンくんと話すのは今日が初めてだ。なぜだか、嫌な気はしない。 『あ、ありがとう』 「……変なヤツ」 『……あ、ご、ごめんね』 ガラガラ、と少し荒っぽく扉が開いた。力が入りすぎていたのか、最後にガン、と大きく音を立てる。 「あ、フェイ!おめえ教室にいたのかよ。……って、お前らなに話してんだよ」 大声でフェイタンくんに対して声を挙げた途端に、私とフェイタンくんを交互に見て、嫌に低い声に変わる。 ふう、とまたため息をついたフェイタンくんは、やれやれ、とでもいうように、どういうかけか私に軽く視線を向けた後、またフィンクスの方を見る。 するとまたフィンクスは怒ったように眉間にシワを寄せ、フェイタンくんを睨む。 「別に、たまたまね」 「あ?隠すんじゃねー」 「ほら、早くいくよ」 「おい待てよ。・・・ったく、、アンナ!」 『あ、は、はいっ!』 「今日の夜、またメールすっから」 『う・・、うん』 風のように、フィンクスはフェイタンくんの背中を追いかけていく。廊下から教室まで響いた彼の足音は少しずつ小さくなっていった。 |