きらきら、 あなたが太陽なら、わたしは月になりたい。そうすれば、離れていたって、私はあなたの輝きに照らされ続けるのに、 「なんて顔してんだよ」 両頬を掴まれ、きつく摘まれる。眉間にシワをよせたフィンクスが、機嫌悪そうに、ふう、と大きくため息をつく。 少し瞼をふせて、今度は辛そうにこちらを見つめてきた。 「ーーー、オレだけか?」 『?』 「付き合ってる、って思ってたのはオレだけか?」 『え…、』 ドキン、と心臓が大きく跳ねた。 『う、うれしいよ!』 頬を掴んでいるフィンクスの腕を引き剥がし、慌ててそう訴える。 『わたし、てっきり、あの、フィンクスが多分って言ったから、わたし、えっと。付き合ってる、って、ちゃんと、言ってくれて、う、うれしい…!』 「ばかアンナ」 『!』 意外な組み合わせ、っていわれたことも。ウワサになってるよ、っていわれたことも。もうどうでも良くて。 胸を張って、私はフィンクスと付き合っているんだと、言ってもいいんだ。自信を持って、スキだ、と思ってもいいのだ、と。 「改めてよろしくな、」 『こ、こちらこそ』 こつん、と頭に軽いゲンコツがふる。 「オレの彼女なんだから、あんま変な奴を寄り付かせんじゃねーぞ」 『う、うん』 「あと、遠慮すんなよ」 ぐしゃぐしゃ、と頭をかかれながら、涙腺がどんどんゆるんでいくのがわかる。 『………ぁ、』 「おいおい、泣くなよ」 『……ご、…ごめ…、でも、な、んか、…混乱し、て、』 「ばか、」 フィンクスの大きな手が頬を包むように撫でて、涙を拭いてくれる。大きくて、ゴツゴツしていて、あったかくて、安心する。 『フィンクス、すきだよ』 「……!」 ぐすん、と鼻をすすって、そう言えば、フィンクスは真っ赤な顔をして頭を掻き、帰るぞ、とぷいっとそっぽを向いて歩きだした。 |