「ただいま」 『い、い、いつからいたのっ?』 クロロはパクノダが座っていた席に座り、アンナと向き合った。仕事から帰ってきたばかりだというのに、ちっとも疲れた様子もなく。笑いを堪えるようににこにことアンナを眺めている。 「さみしかった?」 『…、!』 「いっつもオレから連絡してたから、さすがにこれだけ焦らせば我慢できずに電話してくると思ってたけど…‥」 思ったより手強かった、と小さく笑い、アンナの手元にあったホットココアに口を付ける。アンナは恥ずかしさにうつむいたままでいると、頬に指先を滑らし、撫でた。 「なら、なんの音沙汰もなし…。てっきりオレがいなくてもいいのかと思った」 『‥くすぐったい、』 「帰ってきてお前がのんきに笑ってたらどうしてやろうかと思ってたけど、かわいいこと言ってくれるから許してやるよ」 『‥……………悪魔…』 「ん?」 『…なんでもない、』 それより、とクロロが身を乗り出してもう一度アンナの頬に手を添える。大人しく目を閉じたアンナにやんわりと口付けを落とすとその美しい薄い唇を吊り上げる。 「───…おとなしく待て≠ェ出来た忠犬にごほうびをやらなきゃな」 そしてより深い口付けを与えるために唇を重ねた。 END ← ×
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