浜野君はとても優しい人です。俺が悲しい時は一緒に悲しんで、嬉しい時には一緒に笑ってくれる。そう彼に言ったら彼はきょとんとした顔をして、それからけらけら笑いました。そんなのあたりまえじゃん。俺たち親友なんだから。なんて言われてちょっぴり涙が出ました。そう、喜怒哀楽を共にした俺たちは親友と呼ぶに相応しい絆で結ばれていたわけです。しかしひとつだけ。俺は彼の涙を見たことがありませんでした。なんとなく、漠然と、ああ彼の涙を見てみたいと。そう思った時俺はすでに空へ飛び込んでいて。俺が死んだら彼は涙を流してくれるんだろうか、なんて考えながらどんどん近くなる地面を見つめていました。でも、でもね、俺は今気づいてしまったんです。死んじゃったら二度と彼の顔なんて見れなくなってしまうということに。

ぐちゃ。


20120809


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