「ねえ、剣城は寒くないの?」


天馬くんの問い掛けに無言で頷く彼。そんな訳無いだろどう見ても。俺達の学ランは肌の周りをぐるりと囲んでいて外気から身を守ってくれるけど、京介くんのは違う。まるでマントみたいな正直センスを疑う加工が施してあるから、彼の肌は風が吹く度に外の冷気に晒されるのだ。その上マフラーや手袋などといった防寒具も一切身につけておらず、まったく見ているこっちが寒くなる。彼の寒さで赤くなった頬を見て溜息を着くと途端に白く濁る空気。やっぱり寒くないなんて嘘だな。俺なんてこんなに厚着してても寒いんだから。ぴゅうっと吹いた風に小さく肩を竦めた彼に抱き着く。こうしてればあったかくなるだろ。おいマサキ、って京介くんのいらついた声が聞こえる。その声を無視して天馬くん達に向かって手招き。3人同時に飛び掛かってきたもんだから思いっきりふらついてしまった。京介くんの溜息も真っ白い。あったかくて歩きにくくて、俺は笑った。


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京くんマサくんが仲良しだとうまい
それにしても季節はずれ


20120808



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