ぐるぐる、ぐるぐる。視界が回る。今俺が手をついているのは壁なのか床なのか。上下も左右もわからなくなって此処が何処かも自分が誰かもわからなくなってそれが気持ち悪くて吐いた。ああ気持ち悪い。さっき食べたお昼ご飯出しちゃうの勿体ないな。病院のご飯にしてはわりと美味しかったな。そんな事を思いながら目にした俺の口から垂れた液体はどろどろに溶けた昼食ではなくてちょっと安心した。これならもったいないおばけに怒られなくて済む。なんだか意識が朦朧としてその場に倒れ込むと液体はべちゃりと跳ねて飛び散った。ああ、このパジャマ気に入ってたのに。液体は容赦無く攻め入ってきて水色の布地を染めた。生臭い。こんなとこで眠るのは嫌だな。でももう眠気がそこまで来ている。仕方ないから我慢して寝てしまおう。目が覚めたらシャワーを浴びて体中にこびりついた赤いのを洗い流そうか。そしたらゆっくり朝ごはんを食べよう。明日のご飯も美味しかったらいいな。それじゃあおやすみなさい。


「……太陽…?」


そよかぜの声を子守唄に、眠りに落ちる。




20120808



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