「おまえがもっと嫌な奴だったら良かったのに、」
そう言ってキャプテンは子供のように泣き出した。その頭をなだめるように撫でる星降さんもその隣にいる西野空も今すぐにも泣き出しそうな顔をしていて、なんだか俺まで泣きそうになってしまった。情けない顔を見られたくなくて俯くと、目に溜まった涙は重力に逆らわずに落っこちてグラウンドに染みを作る。泣きそうじゃなくてもう泣いてたな。あーあ。あの時雷門に勝てていれば多分、俺はまだキャプテン達とサッカーやれていたんだろう。
「俺だってもっとみんなとサッカーしたかった」
そう言いたかったのに声が掠れて俺の言葉は途切れた。ああ俺は一生無力だった自分を呪いながら生きて行くんだな。星降さんに頭を撫でられ西野空に手を握られ、キャプテンに抱きしめられながら泣いた。
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フィフスに学校をやめさせられちゃった隼総くんの巻
20120809
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