*西尾作品設定拝借
*おいしいトコがない←
*臨也キャラ崩壊
*途中で視点が変わる
*それでも大丈夫!という方だけどうぞ↓
俺と臨也の関係といえば客観的に見れば仲が超絶的に悪い奴ら、という関係にしか捉えられないだろう。
だからといってその関係を否定するわけでもないし、肯定しようとも思わない。
俺にとって折原臨也という男は、ノミ蟲というムカつく存在であることには変わりない訳で、いつ何があろうと例え地球が逆回転しようとその事実は変わりはしない。
そう。
例え自分の家にその男を連れ込もうと連れ込まなかろうと、変わりはしないのだ。
「・・・・し、シズちゃん・・・」
「あ?だからその呼び方やめろって・・・」
「お、俺を一体どうする気!!?」
そう。
その男が自分の家のベッドの上で顔面蒼白になりながらがたがた震えていようがなんだろうが。
そいつの前で俺が歯ブラシを握りしめていようが。
そいつが『俺が高校時代から殺したくて殺したくて堪らない折原臨也』であることには変わりないのである。
「さ、流石の俺もさぁ・・・!街中で遭遇していつも通り逃げてたのにいきなり拉致られて敵の家のベッドの上っていう経験無いんだけど・・・!?俺にどうしろと!?つか何で今日のシズちゃんそんな冴えてんの冷静なのありえない!!いや違う歯ブラシ持ってる時点で冴えてない冷静じゃないよシズちゃんやっぱおかしいよ!!君みたいな化物は血管浮き上がらせて自販機ぶん投げてりゃいいんだよ!?そんでもって警察に追いかけまわさ、ぎゃんっ!!」
ぎゃーぎゃーと喚くノミ蟲の頭を平手で叩いて黙らせる。ずごんっ、とかそんな音がしたのはいつものことなので気にする事はない。
第一こいつはこの程度の衝撃でくたばるようなやつでもない。
・・・そこが一番むかつくのだが。
「いっ・・・たいよシズちゃん!!?何すんのさ俺正論しか言ってなっ・・・!!」
「手前が正論言おうが何言おうがムカつくことには変わりねぇんだよ」
「・・・ていうかホントになんなの今日のシズちゃん・・・?何か変なの食べた?いやもう本気で聞くけど何で俺シズちゃんの家で何かされかけてんの・・・?てかその歯ブラシは何!?教えて!!?」
先ほどの平手打ち(決して平手殴りではない)で相当痛かったのか未だに涙目になりながら俺の顔を覗き込んでくる。
それが上目づかいだったのもあって。
あーくそ、やっぱこいつ可愛い。
俺の中のサディスティック根性がかなり刺激された。
「新羅に教わったんだが・・・、それで勝負しよーぜ」
「・・・勝負?」
恐る恐る、という風に臨也がこちらを窺ってくる。まぁあの変態の代名詞な闇医者メガネが教えることなんて大体想像がつくのだろう。
まぁあながち間違っちゃいねぇ。
俺もどうなるか知らねぇし。
「俺が手前の歯を磨いてそれに耐え抜いたらお前の勝ち。できなかったら負け。そんだけだ」
「・・・な、何それ・・・?新羅が言うことだから覚悟してたけどさぁ・・・そんなんで勝負できんの?」
「分かんねぇけど・・・一回やってみりゃ分かるってよ。で、すんのか逃げんのかどっちだ」
・・・・・。
歯ブラシを目の前にして俺の顔と歯ブラシを交互に見ながら考えてるらしい臨也。
しかしこの無駄にプライドの高い男は勝負を受けると俺は踏んでいた。どんなに馬鹿らしい勝負でも、だ。
わざわざ「やらない」ではなく「逃げる」という言葉を使ったのもこいつの性格を考えてだ。正々堂々と、そして俺から逃げるなんて言われてはこいつのプライドが黙ってはいない。
と、新羅に言われた。
成程、こいつすげぇ迷ってやがる。ちょっと気味がいい。
「・・・分かったよ、やる」
しばらくして案の定食いついた臨也は仕方なく、といった様子で頷いた。
「要するに弱音吐かないように我慢すればいいわけでしょ」
「まぁそーいうこったな」
「・・・まぁ、変な肉体労働とかじゃないし、受けて立つよ。終わったら新羅殺しに行く」
最後の言葉は俺もどうでもいいので曖昧に頷いて、歯ブラシに少量磨き粉をつける。
「まぁ・・・3分ってとこか。3分耐えたら手前の勝ちで」
「りょーかい」
それでは。
「あーん」
「あーん」
パソコン画面を眺めながら最愛の人を待っていると、白衣のポケットの中の携帯が震える。
電話の発信源の名前を確認して今すぐ切りたくなる衝動に駆られたくなるが、相手が相手なので仕方なく通話をつなぐ。
「もしもーし」
『っしんらぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!』
耳をつんざく絶叫に新羅は思わず耳から携帯を話すが、携帯の向こうからぐずぐずという音がするので、こりゃ珍しい、と好奇心のほうが勝った。
「どうしたのさ臨也、珍しいねそんなに取り乱して」
『うっさい!!誰のせいだと思ってんだ!!?』
「え?僕?」
『お前シズちゃんに何吹き込んでんだよっ!!』
涙交じりの臨也の声に暫し考えて、そしてあぁ、と声を出す。
「もしかして口の粘膜がどうのこうのっていう話かい?・・・ぅわまさか臨也、」
『ぁぁぁあああもう黙れ黙れ黙れああそうですよやられたよやられましたよ新羅の所為でねっ!!!!』
その叫びに新羅はぅあちゃー、と声をあげて椅子の背もたれに思い切りもたれかかった。しかし顔はニヤついており、完全に楽しんでいるらしい。
「あー御苦労さま。今どういう状況なの?」
『っ・・・シズちゃん家から走ってきたっ・・・!!』
「ああ、負けたんだ」
『ぐっ!!』
ぐさっ、という効果音が聞こえてきそうなうめき声を上げたところから推測すると図星なのだろう。その様子がありありと想像できるので、新羅のニヤけは止まらない。
「すごいでしょーアレ。ちっちゃい子が母親に歯磨きされるの考えたら子供って凄いと思わない?何せ君がその気持ちよさに負けちゃうんだもんねぇ。いやもう君退化すれば?」
『おっ・・・お前っ、それ知っててシズちゃんに言ってたなっ・・・!?』
「あれ、今頃気付いた?」
『再確認だっ!!』
ここまで臨也のキャラが変わる程だ、あのドSな静雄にとことん気持ちよくさせられてしまったのだろう。プライドの高い男にとっては屈辱的すぎる屈辱だ。
『っちくしょう!!いいか新羅、今からお前ん家行ってお前切り刻んでやるっ!!首洗って待ってろっ!!?』
「あはは、はいはい待ってるよー」
いつかの敵キャラが吐き捨てるようなくさい台詞を最後に切れた通話にくすくすと笑いながら、新羅は立ち上がる。
セルティが帰ってくるのももうそろそろだろうから、一緒に返り討ちにでもしてやるか、と冷静さを完全に失っている友人を返り討とうと洗面所へと新羅の足は向かっていた。
(誰もそれには逆らえない)
(トラウマになりそうなんですけど・・・)
・・・・・・・・・・
再び西尾設定拝借です。。。
本番は力尽きたのでカットでs(←
新羅の子供が母親に歯を磨かれ云々のくだりは私が歯医者での実体験からです
いや特に上の前歯の裏側やbi(
パニくった臨也書くの楽しいな・・・