*西尾作品の設定拝借
*学パロ
*静雄Not怪力
*それでも許せるという方だけどうぞ↓
折原臨也と平和島静雄の出会いは、正直結構まともなものであった。
共通の友人である新羅が静雄に臨也を紹介。
ありきたりといえばありきたりである。
新羅からみれば「まぁ似たような人間だし仲良くなろうとすれば仲良くなれるんじゃないかな?」なんて軽い気持ちで紹介したのだが。
甘かった。
甘すぎた。
他者を人間としか認識せずに嘘を平気で吐きまくる男が、
不器用で馬鹿正直な人間に、好かれるはずがないのだ。
そう。
彼は他人に対して異常なまでの”馬鹿正直”だったのだ。
「ほんっとに今日はいい天気だねぇ、屋上で皆でお昼食べるにはいい感じじゃない」
「ダウト」
「このままお昼食べてさぁ、午後からもちゃんと授業受けなきゃねぇ」
「ダウト」
「臨也、それ全然面白くないんだけど」
「・・・」
「うっさいなつっこまないでよ、偶には真面目に受けたっていいでしょ」
「ダウト」
「ちょ、そこ即答!?新羅には言わないで俺だけ即答!!?」
「・・・」
「あはは、静雄は臨也のこと良く分かってるねぇ」
「黙れこの変態眼鏡」
「・・・」
「うわ臨也今本気で言ったでしょどこが変態だって一回その腹かっさばいてやろうか」
「ちょ、俺死んじゃうじゃんか!俺死ぬようなこと何もしてないし!」
「ダウト」
「うっさい!!!」
2人が出会って早半年。
生来短気である静雄は臨也という存在に辟易していた。
(―――くそっ、)
壁を背もたれにして座りながら腹立たしげに、咥えていたストローをがしがしと噛み締める。
目の前で繰り広げられているぎゃーぎゃーうるさい2人の口論をじっと見つめながら、自らの言動を振り返る。
(―――くそっ!)
辟易しているのは臨也に対してだけではない。
自分の特殊能力にそれ以上辟易していた。
言いたくなくても自然と己の口から出る言葉。
その言葉にどれだけの人が自分から離れていったのか。
考えたくもない。
他者の嘘を本能で見抜くこの能力が有利な職業があるならば今すぐに就きたいぐらいだ。
「・・・」
今に至るまでの友人といえば新羅と、もう一人門田ぐらいである。
たかが2人、されど2人。
静雄にはその2人がいてくれるだけでありがたかった。
もう自分の言葉で傷つく人間は傍にいてほしくなかった。
それでいい。
自分はそうしかできない人間だ。
そう思っていた。
なのに。
「―――シズちゃーん???」
「・・・っ!?」
ひょっこりといきなり顔を覗き込まれ、物思いに耽っていた静雄はびくりと体を震わせた。
辺りを見ると既に新羅はおらず、屋上には臨也と静雄の2人だけだった。
「あははーびっくりしてんのかーわいー。なになにどうしたの?考え事?シズちゃんに考え事なんてめずらしー」
「・・・うっせぇ」
「あれ?ダウトって言わないの?そーだよねぇシズちゃんみたいな頭の悪い子は考えることなんて何もないよねー?」
「・・・」
臨也の言葉にぎりっと唇を噛み締める。
分かっている。分かっているのに悔しい。
この男に言われることが異常に腹立たしい。
「・・・うっせぇ・・・」
「?シズちゃん?」
「言われなくても、分かってんだよそんなこと・・・」
「シズちゃ、」
「鬱陶しかったら勝手に離れりゃいいんだよ、手前なんか・・・っ!!」
絞るように叫んだ声が屋上に僅かに反響する。
俯いた自分の視界は自分のズボンの生地で埋め尽くされていた。
この学校の生徒が来ているグレイブルー。こんな風に制服を着ているだけで、皆と同じになれればいいのに。
すると、しばらく何も反応を返さなかった男が、静雄の目の前にしゃがみこんだ。
不思議に思って顔をあげると、臨也は見たことのないような微妙な顔をしている。
―――苦笑しているらしい。
「・・・全く、シズちゃんがダウト言わなくなったら何か調子狂っちゃうよ」
「・・・?」
相変わらずのニヤニヤとした笑みを崩さずに、臨也は静雄の顔を覗き込む。
「シズちゃんが唯の人間だったら、俺こんなに構ってないよ」
「・・・俺が鬱陶しいから構うな」
「・・・他人の嘘しか指摘できないんだねぇ」
「・・・は?」
「ホントはさ、友達少なくて寂しいんでしょ?」
「・・・っ!!?」
あ、図星なんだ、とカラカラと笑われて、唇をかみしめた。
―――コイツに言われると百倍ムカつく。
「でもまぁ、君とタダで友達付き合いやってるつもりはないからさぁ俺」
「・・・?」
「分かんない?」
俺こんな奴なんだけど、とくすくす笑われた。
「だから、ね」
「一緒にご飯食べたいなーって思う程には、シズちゃんのこと好きだよ」
「・・・っ!!!?」
「うん、好きだ」
臨也には珍しい真剣な目で見つめられて、静雄は顔が熱くなるのを感じた。
(―――何で、いつも通り言えねぇんだよ)
・・・・・・・・・・
西尾ネタを拝借。
サイト初小説が超駄文すいませんorz
精進いたします;;
中途半端;;