み ず か
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くずかご  

おそらく呪いと呼ばれる類のものだった。
良かれと思って発せられただろう言葉がいつの間にか背中に貼り付けられて、体をどんどん重くしていく。
「早く膝をつけよ」と煽られているようで、責任感という名のそれを投げ出したくなった日は数え切れない。
投げ出さなかった理由のひとつは意地。
理由のひとつと言いながら、他の理由はぱっと浮かばない。
でも理由がひとつじゃないことだけはわかる。
意地だけで自分を支えられるほど強くはないことは理解しているからだ。

言葉は手軽に扱える武器だ。
しかも自由に形や殺傷能力を変えて、かつ自分の思い通りには扱えないこともある。
かといって、上手に使いこなせるのが強者かというとそうでもない。
それでも言葉に振り回されることに比べれば、使いこなせるに越したことはないけれど。
口は災いの元、言葉は呪いの源泉。
この武器の一番手強いところは、自分の認識している能力値と相手への攻撃力(たまに回復力や防御力)がイコールにならないところ。
しかしながら、使わないと使わないで余計な軋轢を生んだりする。
面倒この上ない。
[ 呼吸 ]  22nd,March,2023
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