- (+15)please love me [追記]
照れながらそっぽを向く彼の、染まった頬に触れてみる。 おそらく彼の母親以外は感じたことのないだろうその体温に、私の心臓は幸せなほど震えた。 自分が彼の唯一でありたいという気持ちは、日に日に強くなっていく。
「勝手に触るな」 「いいじゃない、減るもんじゃなし」
そんなどこにでもありそうな会話が何よりの思い出になる。 幸せな時間がいつまでも続くよう、心から願うことも少なくなかった。
でも、もうそれだけじゃ足りないのだ。 そっぽを向いたままの彼を、どうしてもこちらに振り向かせたい。 何と言えばいいのか、そんなことはずっと前からわかっている。 言えないのは自分のせいだ、欲が大きすぎて受け止めてもらえるか不安なのだ。
願わくばこの気持ちの大きさが形になって、彼に思い切りぶつかっていきますように。 彼が倒れるほど、潰れそうになるほど、大きくなってしまったこの気持ちを。 跳ね返せないほどの想いを一言に詰めて、大きく息を吸い込むのだ。
[ no.+ ] 3rd,June,2013 BACK
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