- (+13)メビウスの輪の上で
どうしようもないことで責められてしまうと、それまでに選択した自分の意思をふと後悔したくなる。 そんな自分が嫌で脳裏を真っ白にしてみるけれど、だからといって胸のわだかまりがうまく消えてくれる訳でもない。
気分が悪い、とその場にうずくまり膝を抱えた。 相変わらず誰も僕を見ようとはしない。 ほんの指先、触れることすらなく、いつしか透明になった体。 それが今の僕にはちょうどよかった。 いつもだったら嫌だけれど。
朝の往来、行き交う人波の中、溺れもできずに僕は沈んでゆく。 それが嫌だとは思わない、これは僕の選択。 薄れゆく意識の片隅で、誰かが「これは夢よ」とささやいた。 そうかこんな幸せ、現実のはずがないのだ。
目を覚ませば、疲れるほどの干渉が待っている。 無くなれば花、無くなれば枯れる、それはよくわからないモノ。 ただひとつ言えるのは、こんな夢の後にはそれをひどく欲する自分がいるということ。 悲しいくらい、矛盾した心理。
[ no.+ ] 29th,August,2010 BACK
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