あーもう何。俺ってあほ?あほなのか?それともばか?!………………………両方か。うぁーっ。



今日やらかしてしまった出来事を思い出して、自己嫌悪に走る俺。隣にいる犬飼はにやにやしてるし小熊はおどおどしてるし。しかも今思ってたことは口に出ていたらしく二人して「今更なこと言ってるぜ」「やっぱりおかしくなっちゃったんでしょうか」とかコソコソ話してやがる。頼むからコソコソ話すなら聞こえないようにしてくれ。犬飼の声がコソコソになってないのは絶対わざとだろ。でも、そーですよー。俺があほでばかなのは生まれた時からですよくそぉ。
それもまた口に出ていたみたいで犬飼は俺を見てため息をついた。


「なぁ、そうやってばかみたいなこと言ってねぇで謝ってこいよ」
「謝るってったって絶対あいつだって呆れてるだろぉ……」
「そんなことな「そりゃそうだろうけどよ。何?お前このままでいいわけ?へぇそう」


せっかく小熊が慰めてくれそうだったのに。犬飼はわざわざそれに被せて俺に説教をする。そりゃこのままでいいかと聞かれたら答えはもちろんノー。いいわけあるかってんだ。だけどそれを行動に移せるかどうかは違うというか。
本音をいうと怖いんだ。せっかく届いたのに、それを自分で壊してしまいそうで。そんなん自業自得なのかもしんないけど。それでも。



「そんなぐだぐだやってる暇あんならあいつんとこにいけ」
「うー……」
「お前がいかないなら俺がいくけど?」
「そ、れはだめ!」
「だろ?ならいけってうぜぇな」


本当に心底嫌そうに背中を押されて前に一歩出る。恐る恐る振り返ると顔に"いかねぇならぶん殴る"と書いてある犬飼とどもりながらも"応援してます"と言ってくれる小熊。これはもう本当にいかないと、いけない、の、か。やっぱりまだ怖いけど。戻ったら犬飼にぶん殴られるし。頼りない小熊に応援なんかされちゃってるし。ここは俺も、頑張るか。というよりはじめからその道しか俺にはない。



「っし、じゃあいってくる!」
「へいへい。せいぜい振られてこいよー」
「ファイトです先輩!」


おう!と震えてる手を上にあげる。大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせながらあいつがいるであろう場所を目指す。あいつのとこにいったら、まずなんて言おう。弱気になってごめん?疑ってごめん?なんか、違う気がする。確かにそうなんだけど、それじゃあダメな感じ。もし犬飼にいったらなんてゆーかな。
「思ってることいやぁいいんだよ」
とかだろうな。それで、いいのかな。いいってことに、しようかな。うんそうしよう。

あの角を曲がったら、きっとあいつがいるはず。あいつを見て、最初に思ったことを言おう。そしたら、伝わってくれる気がする。俺のこの気持ち。





「好きだ!」





夜久は「知ってるよ」と笑った。そのまま夜久に近づいてごめんと言ったら「私も白鳥くんのこと好きなんだ」って言われて。驚いて何も言えないでいると「知ってる?」と聞かれた。そんなの、答えはもちろんイエスだろ!


曲がって疾走


真っ直ぐになんて走れないっての!

PSP版夏発売記念
100930
110801加筆修正


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -