「口笛、さっき私が歌ってたのだね」


月子に頼まれてベランダに干してある洗濯物を取り込んでいるとふいに話しかけられて笑われた。え?と振り向けばいつの間にかに月子がいた。いつ来たのか聞こうとして声を出そうとすると、手は止めちゃダメと注意される。くぅ、なんだよ月子、めちゃくちゃ笑ってんじゃん。あーぁ。そんな可愛く笑っちゃって。
てか俺口笛吹いてたのか。やばい、言われるまで気づかなかった。無意識だったぞ。さっきまでリビングで月子と一緒にいたから、その時にうつったの、か?うん、絶対そうだ。


「だって月子が歌ったり口笛吹いたりしてるから覚えちゃったんだよ」
「そうなの?そっかぁ、私のせいか」
「そーそ。月子にうつされたんだよ」
「ふふ、そっか」


それってなんか嬉しいねと月子が言う。俺はなんだか照れくさくなって洗濯物を取り込むことに集中する。嬉しいねって。何でそんなこと言っちゃうんだ。俺だって、すごく、嬉しいのに。先に言われたらそうだなとしか言えないくなるだろ。
そんなこと知らない君はまた口笛を吹く。





whistle
(それはいったい)
(なんて曲?)


100712



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