テロリスト・半兵衛。
注意:名前変更はありません。
名前は「時継」で固定化。
半端ないキャラ崩壊注意。
「僕のお友達は書簡だよ。そうさ、大丈夫。またいつもの様に半兵衛さんが山の様な深海の様な量の書簡と言う名の仕事を雪崩の様に僕の部屋に(忍を使って)押し付けてくるなんて日常だよ、大丈夫。僕はまだやれるさ、やれる。ふふ、ふふふ…」
山を片付けても次の山がやって来る。多分、僕が山を完全に越える日って、永遠にないような気がする…――なんて思いながら空で鳴いてる雀に心癒されるそんなある日の事である。
今日も養父である半兵衛さんに山の様な仕事を任されて、その山の半分近くをお昼前に漸く片付ける事が出来た(自分超よくやったと誉めたい、秀吉様に誉めてもらいたい…)。
が、山はまだ半分も残ってる。
中には残してもいいヤツもあるが、それをすれば次の日にはまた山が積まれるので、残した分の仕事は今日の一山を片付けなければならない。
て言うか吉継はあの山を三つ分やりこなすとか言うから「マジで人間か?」と思わず口を滑らせたら返事と言う名の数珠が頬にめり込まれた記憶が蘇る。
――あれは痛かったな、マジで。
「くっそー、何でこんなに案件があるんだ?て言うか山の大きさが日に日に増して大きくなっていくとか、どういう事?」
「やぁ、時継殿!」
「いやいや、これ半兵衛さんがやってた書簡だし。何で僕の中に紛れてる訳?アレか?テロか?半兵衛さんテロか?テロリスト・半兵衛さんか?いやいや、マジでいいから、本当に。これまだ僕には早いし」
「おおぃ、時継殿…?」
「んん…?アレおかしいな?何かさっきから前に進めてない様な気が…。て言うか何か目の前に立派な腹筋が見え」
「儂だぞ、時継殿!」
「うわああッ!って、何だ。家康じゃないか……って、あれ?いつからいたの?」
「“友達が書簡”と言うあたりだぞ!酷いじゃないか、時継殿。儂は友達ではないのか!?」
いやいや、家康。
突っ込む所はそこなのかい?て言うか何か僕の独り言聞かれた方が恥ずかしいしッ!何、僕さっき何言ってたっけ!?事と次第によっては家康に口止めしないといけないしッ!!半兵衛さんの超営業スマイルの闇婆娑羅技とか喰らいたくないしッ!!
「と、時継殿ッ!?どうした、顔が真っ青じゃないか!!無理をしているのか!?駄目じゃないか、無理をしたら!!」
え、大丈夫だよ家康。
僕はまだ通常運転だよ?
――何て言う前に突然身体が一瞬浮遊感を体験した。
そして次に僕の頭は急に近付いた家康の顔。わぉ、素敵なイケメンがいらっしゃ……、
「ッ!!!?」
「顔色が悪いぞ!直ぐに医者に診せるから我慢するんだ!!」
「ちょちょちょッ!!ちょっと、ま、待って待って家康ッ!!大丈夫だからッ!僕は大丈夫だからッ!!て言うか、お、重いから駄目だってッ!!」
「何を言ってるんだ、時継殿!今はそんな事を気にしている場合ではないぞ!後、時継殿は重くないから安心しろ!」
あ…あら、やだ。
思わず胸がキュンとした…――じゃないないッ!!違うんだ家康ッ!幾ら僕が不規則な生活をしているからと言っても圧倒的に前と比べてデスクワークが多くなった僕の今の生活はまさに“ながら生活”な訳である。
つまり、前は食事する時間すら勿体無くて食べずに仕事したら倒れた経験をした。
だから片手で食べられる物を女中さんに作ってもらってそれを食べながら仕事をしてるし、変な時間にお腹空いて食べる。
そしてこの時代には正確に測れる【体重計】がない。
決して軽くはない僕をそんな平気な顔して横抱き…――つまり、お姫様抱っこされるなんて…ああッ!やっぱり駄目だよッ!!“男”として生きてる僕にこれは一体何の罰ゲームなのッ!?え、僕に羞恥で死ねと言うんですか?
「だ、だからね家康ッ!これじゃ、体裁というのが…」
「覚束無く歩いてる時継殿を歩かせる訳にはいかないだろう!?何、安心しろ。日々忠勝の槍を持って鍛錬している儂だ!そんな柔な儂ではないぞ!」
「う"…っ、……ぅぅ…ッ」
何かもう恥ずかしくなった…。
言い返す元気もなくなった僕は辛うじて持っていた兵書で赤くなった顔を隠す事に専念した…――
「…………」
* *
「ごめん、吉継。ちょっと医者の所で受診して約束の時間
ドゴッ!!ぐはぁああッ!!」
数珠が頬にヒットした。
痛いです、てふてふ殿。
「おお、すまぬ時継」
「いや、吉継。全く詫びの体勢でもなければ何か僕の気のせいじゃなかったら何か次を飛ばそうとしてません?」
「フム、次は腹よな」
「狙う気満々ッ!?ご、ごめんってば…ッ!!将棋の時間が」
「それではない」
「え?」
約束の時間に遅れたからてっきり怒っている吉継だと思っていたら何か別の事で怒ってるみたいで…。
ん、何?僕、何かした?
「………アレを見よ」
吉継から「うわ、コイツ…」みたいな視線を受けながら吉継が言う方向を向いて僕は間違いなく石化した。
「…、…………ときつぐさま」
「…み、みみみ…三成…ッ?」
布団にくるまって幼子の様にグズグズと泣く三成の姿に一気に冷や汗が出た。
慌てて駆け寄って未だボタボタと泣く三成の頬に流れる涙を拭ってみるも、泣き止む気配がない。
「ほ、ホラどうしたの三成?何か言われたの?僕に相談出来なかったの?ああもう、泣いたら駄目だって、男の子なんだから」
「…ッ、時継様ッ、時継様!!」
「うん、うん。何?何?どうしたの三成?ほら、言ってごらん?僕のこんなみみっちい脳味噌と思考で良ければ幾らでも貸してあげるからね?ね?」
「…グスッ…時継様…」
「よし、何かな?」
「…何故家康に抱えられていたのですか?具合が悪かったのですか?」
「……………ん?」
え、見られてたの?
お姫様抱っこされてる所、
三成に?
「わ、私より…、私より家康の方が良いのですか?」
「い、いや、三成?三成?」
「私より…家康の方が…――」
――プチッ。
「そんな訳ないだろぉおお おッ!!!!」「!?」
「違うんだよ、三成!家康は体調不良の私を心配して医者に早く診せようとして私をあんな風にして抱えて超特急で連れて行ってくれただけであって僕は三成より家康がいいとか、そんな風に優劣とか考えた事ないからッ!」
「で、ですが…顔を赤くして」
「あれは体調管理が出来てる様で出来てなかった自分の不甲斐なさと“男”なのにあんな風に抱えられて恥ずかしかったからなんだよぅ!!」
「時継様…」
「ん、何かな三成ッ!?」
「うッ…、貴方様の体調の異変に気付かなかった私にどうか罰を…っ」
「いや、駄目、絶対させないし」
「時継様ッ」
「いいから、三成。これは自分で蒔いた種なんだから、三成は何も気にしなくていいの。解った?解ったなら、泣くの止めよう。ね?」
「は、はい…」
この顔、破壊力抜群である。
勿論、三成の。
「いや、心配掛けてごめんね?」
「わ、私はいいのです…」
「いやいや、三成がそん
ドゴッ!!げはぁああッ!!」
「時継様ぁあああッ!?」
いやー、痛いです、てふてふ殿。
しかもお腹ですか。
もう少し加減して…くれないよね。
「吉継、痛い…」
「リア充爆破よ、バクハ」
「いや、リア充してないし」
「われから見ればそれ以外、何物にも見えぬ、爆破しろ爆破」
「ぎ、刑部ッ!時継様は身体が悪いのだぞッ!悪化させたらどうするのだ!?」
「何、その時はわれとぬしで看病すればよかろ?」
「そ、そうか…」
いや、三成。
納得したら駄目だからそこ。
「時継君、今日の仕事はまだ終わってないのかい?早くしないと明日やる分が増えるだけだからね」
ほのぼのとした私の心は突如現れた半兵衛さんのその一言に風化しました。
テロリスト・半兵衛。(うわぁああああッ!今何時!?何時ッ!?いや、何刻ッ!?)
(…子の刻に近いナァ)
(……オワタ)
(時継様ぁあああッ!!)
(ヒヒヒッ!)
―――――――――
い、頂いてしまった……
だ、だって、貰っても良いって沁埜隊長が仰ったから……!
すみません沁埜隊長ヤマ一兵卒が過ぎた真似をしました(土下座)
でもまさか拙宅の子のお話を書いてくださるなんて……感激で前が見えな――あ、何だ、涙で前が見えないのかと思ったら顔が溶けて見えなかったのか←
沁埜隊長素晴らしい贈り物をありがとうございます!!!
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