四十三ノ話







官兵衛さんのいる西の穴蔵から逃げるように帰ってきて幾日か経った。




この件に関しては三成と刑部が留守の間を狙い、天君でお忍びで行ってきたので二人はこのことを知らない――というより、まだ二人は遠征先から帰ってきていないので知るはずもない。

二人は同盟組みに奔走する徳川に負けじと対抗すべく、同盟国を広げるためにあちこちへ遠征に行くことが多くなったので、今回の二人の留守の理由も遠征だ。

彼らの行く先を説明するならば、先ず始めに徳川よりも先に雑賀衆を雇うため、彼らの本拠地があるという紀伊国雑賀荘へ向かい、予定では更に西の方へと足を進めて何やら不穏な噂が絶えないという小早川秀秋に釘を刺すため、備前国烏城へと向かうらしい。

吉継が言うには中国の安芸にも用があるとかで更に遅くなる予定だとか……何ともまぁ、東へ行ったり西へ行ったりと大忙しの予定である。

その間大坂城はもぬけの殻故に、非戦闘員の私が残って大阪全体を守るというのが二人と交わした約束なのだが……官兵衛さんの所にこっそりと行って帰ってきたり等、皆に黙って少し城を空けたりすることもある。

全てではないが、一応、理由をある程度の部下に告げてから出掛けてはいる――が、無論部下達はいい顔をしない。

確かに、城を守るべき人間が大坂城に誰もいないということが周囲の国に広がりでもすれば、その日のうちに大坂城は、というより大阪は火の海と化すだろう。

そんなことがないよう、なるべく城にいるように出来る限りの手は打っているつもりだが、官兵衛さんの件のように自ら動きに行く時もある――今回の結果は“隙”を突かれた無惨な結果ではあったが。

流石、天才軍師と誉れ高いの半兵衛さんと肩を並べて両兵衛と言われる官兵衛さんだ、と言うべきか。

私が“何者”か知らずとも、観察眼だけで私の弱味を見つけ出し、言葉を武器として向けてきた。

それは私自身が見て見ぬふりをしてきた弱いところにザクリと遠慮なく突き刺さり、まるで毒のように刺さった所からゆっくりと全身に回り、体の動きを弱めて私の行動に歯止めをかけ、思考に最も大きく影響を及ぼした。

今も、頭の中で官兵衛さんの言葉がボンヤリと浮かんできては、気が付けば変なことばかり考えて動けなくなってしまっている。



『お前さん、一生“家”に帰れんぞ』




「――かえるさ」


ポツリ、あの時とは真逆の言葉を吐いてみる。

私一人しかいない私室でそれは響くこともなく宙に吸い込まれて、直ぐに何もなかったように沈黙がまた生まれて。

その沈黙が虚しくて、持っていた小筆をわざと音を立てて硯に置く――コトリ、聞こえた音も虚しくて、気が付けば文机を占めていた書類を前に押し出すように突っ伏せばドサリと書類の山が崩れるのも気にならなくて、脳裏にあの時の官兵衛さんの眼差しが蘇って、知らず知らずのうちに手に力が入った。

「官兵衛さん、誰見てたのさ」

あの時の彼は、誰もいない筈の私の後ろの“誰か”を睨んでいた。

何故彼があんな顔をしていたのかは分からないが、官兵衛さんのその言葉で私は自分の“立っている場所”と自分が何をしているのかを理解して、酷く困惑したのだ。



どうして私は、戦をしているのだろう。



平成の世にいた時、その言葉はテレビの向こう側での世界でしかなくて、戦なんて無縁の平和な生活をしていて、国同士が争うニュースを見ては父と母と三人で眉をしかめるような、戦は嫌いだとはっきり宣言できる家族に囲まれて育ったこともあり、自然と自分も戦は嫌いだった筈なのに。

こちらの世に来てからより戦が身近なモノになっても、それは変わらなかった筈なのに。

それこそ始めは、自分が生きるための道がそれしか無かったから、仕方無く戦国の世の道理に従っただけであって。

生きて現代へ帰るためには、この豊臣軍の中で仕事をこなして、己の利用価値を高めて己の身を守ることしか方法が思い付かなかったから、必死だっただけで――









――気付いたら、人に囲まれていた。



佐吉と出会って、友のいる楽しさを思い出して。

吉継と出会って、僅かでも素の自分でいられることの喜びを知って。

半兵衛さんと共に行動して、家族の大切さを思い出して。

秀吉様のために、私に居場所を与えてくれた恩返しをするために学生生活で学んだ歴史やら政治の授業の内容を必死に思い出して、参考にしながら政策を打ち出して。

彼らと出会えたから、嫌々ながら事務的にこなしていた仕事に、注意深く目を向けて熱心に取り組むようになった。

大切な人達が戦のない平和な世界で笑って過ごせる、そんな大阪の町にしたいと思えたから。

狭い世界だけれど、眩しくて幸せな、あまりにも居心地が良い暖かい世界だったから。

私の行動理念でもあった元の時代へ帰るという思いを押し退けるように、皆のために役に立ちたいと思う気持ちが日を過ごすことに増幅して、いつの間にか片方にしか傾いていなかった天秤が水平を保つように釣り合っていて――



気が付けば、私はそれらに挟まれて動けなくなっていた。



でもそれに気付かないふりをして今まで生活をしていた、自分の中で起きている変化から目を逸らして、見ないふりをしていた。

帰りたい、この気持ちに偽りはない。

例え実の両親の顔や声、友の顔や声を忘れたとしても確かにこの胸の内を締め付ける郷愁は偽りじゃないから。

でも、こちらの世でできた大切なモノも蔑ろに出来なくて。

帰るためには彼らと別れなくては駄目で、でも彼らを選べば一生家に帰れないことも確かなことであって。

両極端の位置にある2つをどちらも選ぶということは不可能、であって。







――ならば、どちらを取るべきか。







その選択肢は、何時でも私の目の前にぶら下がっていた。

けれど私はそれから目を反らしていて、官兵衛さんの警告のような言葉に目を逸らすなと言わんばかりに頭を叩かれたような形で今やっと、その選択肢を見た。

その選択肢以外、私の前には用意されていないことに気付いて愕然とする同時に、その選択肢どちらを選んでも選ばなかった片方が、今までやっとのことで守っていた大切なモノがこの掌から全て滑り落ちてしまうことにも気付いて。

その選択肢を見せながら、暗にこれ以上“こちら側”に関わるなと言っているような官兵衛さんに、まるで三成達を諦めろと言われている気がして、咄嗟に家康を討つと、彼等と共にあるとむきになって言葉を放っていた。

官兵衛さんは顔をしかめて溜め息を溢して……彼が同じような顔を半兵衛さんに向けた時があったことを思い出して、そこでボンヤリと理解した。


どうやら私は、半兵衛さんの道を辿っているようだと。


半兵衛さんも、いつも大きな決断を迫られていた。

それは最終的に彼の残り僅かな命をも削って、削って削って削って、静かに人生を終えた――それが間違いだったのかなんて、私には分からない。

それでも官兵衛さんは遠回しに同じ轍を踏むなと警告をしてきた。

何だかんだで面倒見の良い彼のことだ、きっと見ていられなくなって忠告したのだろう(それが半兵衛さんを追い越せなかった原因だと、過去に秀吉様は渋い顔をしていたっけ)。

つまり、彼が忠告するということはよほど自分は崖っぷちを立って、自身の立場を危うくしているようだと思い知らされて、私は恐らくこの戦国の世に来て初めて、立ち止まって。



そこで思考は停滞した。



気が付けば無心になって城に籠って仕事をこなす日々が続いて、三成達からも後数日のうちに大坂城へ帰るとの知らせが届いた、そんな矢先のこと。













「とぅぅうわぁぁのもぉぉおぉおおでござるぅぅぅううぅうううぁああぁああっ!!!!!」







突如、城を揺るがした(物理)爆音。



いつも通り障子を開け放って仕事をしていた私に今までに聞いたことがないような凄まじい爆音が何の前触れもなく襲ってきたらどうなるか、結果を教えよう。


体へビリビリと振動さえ感じる程の音の衝撃を身をもって体験するという、類稀すぎる経験に驚きのあまり手元が狂い、元親へと宛てて書いていた書状をダルメシアンにしておじゃんにした、序に畳も一畳もおじゃん。


「な、何事……?」

あまりの衝撃に耳鳴りがキーンと脳を震わせ、最悪なことにその耳鳴りは脳に多大な影響を及ぼしたらしく、ズキズキと頭が痛くなる始末にもはや顔が歪むのは仕方の無いことだと思う、部下が近くにいなければ畳の上を転がり悶絶していただろう。

近くにいた部下に顔を向ければ、哀れ、墨汁の被害を被った書類にムンクの叫びを実演しているところだったので何事かと聞けそうになかった。


……すごい、人間ってあんなに顎が伸びるんだ。


あぁいや、感心してる場合じゃない。

何秒か遅れて城中が慌ただしい気配に包まれ、この爆音の正体を知らせるための侍女もそう時間を掛けないうちにやってきたわけだが。

「時継様、時継様はいらっしゃいますか!?」

戦国時代で過ごしてきて今までに聞いたことがないような爆音故に、ただ事ではないだろうと覚悟はしていたが、いつも冷静な侍女頭の女性が普段の落ち着きを放り出して部屋に駆け込んできたことにより、どうやら事はもっと大変らしいと思い知る。

「どうし、」

「一大事でございます!武田軍を名乗る使者が……!」



脳裏に幼さが残る、真っ直ぐな目をした“彼”が浮かんだ。
















「やぁ、久し振りだね、真田幸村君」

使者は二人、そう聞いて城の応接間とも呼べる部屋へ使者を通した。

一人は侍女頭から話を聞いたときに脳裏に過った懐かしい青年で、もう一人は鮮やかな橙色の髪色を持つ、何処か刺々しい雰囲気を放つ青年だった(彼は本来、主以外の人前に姿を見せない忍らしいが、武田軍副大将も兼ねているとのことで堂々と姿を晒しているとのことだ)。

「大将の武田公が倒れて、君も大変だろう。前より窶れてるね」

「……いや、某は、」

「大将」

世間話から入ろうとした矢先に、忍の彼からの鋭い一声にその場の空気が冷えたように感じた。

「そんな話をしに来たんじゃないだろ?」

幸村君に話を促しながら、私に向ける視線を一切反らすこと無く、剥き出しの敵意を隠すこと無く笑顔の仮面の向こう側から睨むという、何とも器用なことをする忍に思わず苦笑いが零れる――何かした、私?

「――同盟、ね。失礼だが、武田軍は“以前”の勢いをお持ちか?」

「っ、武田の騎馬隊は健在でござる」

騎馬隊だけでなくて軍全体のことを聞いたんだけどなぁ、と口にしかけて、咄嗟に口許を鉄扇で隠して誤魔化す。

様子見にちょっとつつけば途端に幸村君の顔が強張り、此方を睨む、とまではいかないが、中々に迫力のある視線を向けていた。

武田軍の様子は一応部下達や忍達から報告を受けてはいたが、幸村君の思い詰めたような表情が少々気がかりで、ついついそんな問い掛けをしてしまったのだが……どうやら副大将殿の逆鱗に触れたようで、ヒシヒシと殺気が背筋を撫でている。

流石に生命の危機を感じたので様子見はここまでにしておこう、まだ死にたくない、同盟結びに来た使者の気に障る発言して逆上させて死んだなんて間抜けな死に姿は晒したくない。

何より、今の豊臣軍、否、西軍には一つの国でも味方が欲しいのは代わりないことだし、武田軍の騎馬隊の機動力は魅力的だし、実質欲しいところなのだ。

武田軍も大将の信玄公が倒れた今、次の大将に“足りない”ものを少しでも早く補うために必死なのだろうし、他の軍と同盟を結ぶと言いつつも実質は弱体化した武田軍を守るための“鎧”を探していたに違いない。

タイミングの良いことに世は大きく分けて徳川率いる東軍と石田軍率いる西軍、この二つに別れたため、どちらについてもどちらか片方が敵になり、その国に着いた国も敵という明確な目印がつく。

敵が明確になれば、対応する策も絞られてくる――いつ何処の国に攻められるのかという半永久的な緊張状態が少しはマシになるのだろう。

未だ大将の器には物足りない若者を大将の器に育てる期間も稼げるし、彼等には一石二鳥だろう。

鎧代わりにされるのは少々如何なものかとは思うが、こちらも武田軍を利用すればいい話なので問題も特にこれといってない。

恐らく吉継も同じ意見だろうと踏んで、頷く。

「――そっか。ならいいんだ。意地悪なこと言ってすまないね、真田殿。同盟の話、私からも大将の石田三成に話そう」

石田軍の総大将は三成だ。

例え三成も断らないだろうと分かっていても(というより彼は他の国に興味が無いのでこういう判断は私か吉継に判断を託すのだ)、相談もしないで私の一存だけでおいそれと簡単に同盟を結ぶわけにはいかない。

「アンタ、凶王の上司なんだろ?本人がいなくてもアンタの一存で同盟調印とか出来ないわけ?」

同盟組みに前向きとは言え、口約束の契約は不安なのだろう。

何やら不満そうな忍の彼の言葉に、口許を隠していた鉄扇を閉じ、視線を下にずらして曖昧に笑い、「豊臣軍の大将はあの子だからね」と肩を竦めて見せた。

「私は一介の文官だし、同盟調印の話は君達にとっても私達にとっても重要な意味を持つ。申し訳無いけど、一介の文官一人の一存だけでは決められないんだ」

「……“神童”殿って呼ばれるような人が一介の文官、ねぇ……」

……気のせいだろうか、やたら忍が突っ掛かってくるような。

流石に眉をしかめて忍を見れば、探るようにこちらを覗きこむような鳶色の瞳と視線がかち合う――忍のように普段から人の観察に慣れた人間は、目を見るだけで相手がどのような人間なのか、どのような性格なのか、大体のことを理解してしまうらしい。

目は物を言う、という諺もある程だ、強ち嘘ではないのかもしれない。

隠す気も更々ない様子で忍がこちらの意図を読もうとしていることに気付いて、咄嗟に持っていた鉄扇で口許を隠して視線を逸らす。

「何か用かな、忍君?」

「……俺様、アンタの父親嫌いなんだ。生前の時に色々痛い目合わされたしさ、仲間も殺された」

思ってもみなかった人物が話に出てきて、無意識のうちに忍を見ていた。

探られている、と分かっていても敵意を覗かせる鳶色の瞳を見つめ返し、バチリ、鉄扇を閉じる――急激に、頭の中が冷えていくような、自分の意識だけがポッカリと体から抜け出たような感覚に陥って、自分の感情が把握出来なくなった。

自動的に、唇が薄い笑みの形になって。

「――だろうね。悪いけど、その本人は亡くなっていてね。私で良ければ仕返しでもしてみるかい?」

両手を微かに広げて小首を傾げれば、忍が何かを見出だすように両目を細めて暫しこちらを見つめ、何かに気付いたように視線を逸らし、息と共に“何か”を吐き出すような、小さくも長く、細い溜め息をついた。




「……別に。アンタは竹中半兵衛じゃないし」




クラリ、視界が揺れたような。

何故かは分からないが、胸に何かが詰まったように感じて、一瞬だけ息が出来なかった。

瞬きをする間にその違和感は無くなっていて、不思議には思ったものの、忍がそっぽを向いて小さく、嫌々そうではあるが謝罪の言葉を述べたのに驚いて、違和感のことは直ぐに忘れてしまっていた。

「それに、アンタのことは父親とは違う理由で嫌いだから」

「……そう」

隠すこともなく、ツンとした態度でハッキリと言う忍。

……何か、言い方がツンデレっぽい、と内心で呟きつつ、混乱する思考を静かに小さく深呼吸をすることで整理し、改めて幸村君に顔を向ける……何故か、驚いたような面持ちで忍と私を交互に見つめており、小首を傾げたら慌てた様子で居住まいを正し、咳払いをした。

「い、石田殿が不在では致し方無い。日を改めて参上致そう」

今にも立ち上がりそうな幸村君に、三成達は後数日のうちに帰る、良ければそれまで大坂城に滞在してはどうかと提案すれば、幸村君は頷きかけたのだが。

「大将、何時までも城を空けているわけには行かないだろ。俺様の分身も万能じゃないんだから」

ピシャリ、駄目なものは駄目と言う忍に選択肢を狭められてしまった。

分身も万能じゃない、という一言から察するに、どうやら上田城は彼の分身が留守番をして守っているようだ。

大将である幸村君がそれを思い出したのか、慌てた様子で「そうでござった!」と表情を引きつらせ、それから申し訳なさそうにこちらを見る。

「竹中殿、やはり今日のところは――」

「うん、国の主が家を留守にしてたら不味いだろうし、副大将の彼の言う通りにした方がいい。同盟調印のことは追々書状を送るし」

後のことは任せておけと頷けば、ホッとしたような面持ちで幸村君が浅く頷いた。

「では、これにて失礼するでござる」

止める間もなく颯爽と部屋から出ていった幸村君に、案内役の侍女もいないのに大丈夫だろうかと思った直後。

「ちょっ旦那!?勝手に城の中歩かないの敵だって誤解されたら大変でしょ!?」

……慌てた様子で幸村君の後を追いかけようとする忍がまるで、歩くことを覚えたはいいが天真爛漫にあちこち動き回るせいでしょっちゅう迷子になる小さな我が子に手を焼く悩めるオカンさながらで、思わず哀れみの視線を送ってしまった。

見た目からして私より一つか二つ程年上くらいにしか見えないのに――勿論私の外見年齢と比べてだ、中身と比べたら遥かに私の方が年う(以下略)――先程の幸村君のフォロー等を見る限り、なかなか苦労しているようである。

と、忍が視線に気付いたように鋭い視線をこちらにキッと向ける。

「今、哀れんでただろ」

「いいや、子育ては大変だなぁって思っただけだよ、若いのに大変だなぁ忍君」

「俺様には猿飛佐助って名前があるしやっぱり哀れんでるだろアンタァ!!?」














何故か友の顔と重なりました















(三成が大人しい子で良かったなぁ吉継……)
(だから俺様哀れんでるだろアンタ!)
(いやぁ幸村君もいい子だけどね?元気だし、素直だし……前に会ったときも私が何者かなんて怪しまずに話し相手になってくれるし、)
(アンタのせいでその後俺様休みが少なくなったなんだからね!?思い出すだけで腹立つんだけど!)
(ほら、幸村君一人にさせて大丈夫かな?早くお母さん迎えに行ってあげないと、)
(俺様大将の母君じゃないし!やっぱり俺様アンタのこと嫌いだ!!)



(――クシュンッ)
(っ!体調が優れないのか、刑部?)
(……いや、大事無い。時継がわれの噂でもしているのであろ)
(………………………………………私は、嚏(クサメ)をしていない…………)
(!)
(時継、様……私のことは、話されていらっしゃらないのですか……)
(み、三成、後二刻で大阪よ、時継にも会える故、)


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