弔いごっこ(甘?)








消灯時間の過ぎた
スリザリンの談話室には
私とリドルしかいない

ふと思った
リドルが死んだら、
私はどうしようか、と

目の前で本を読んでいる彼を見つめながら
しばらく考えた


「リドルが死んだら泣いて、それから綺麗に埋葬してあげる」

私がそうつぶやくと
リドルは本に注いでいた視線を
私に向けて
それなら、とパタリと本を閉じ
余裕と恍惚を浮かべながら
私の隣へと席を移動し
愛を囁く様に言葉を紡いだ

「姫が死んだら腐らない様にしてずっと可愛がってあげるよ」

その言葉は私の鼓膜を
甘く振るわせた

「ネクロフィリア」

「君だからだよ」

彼の紅い瞳に映る私は
満更でもない様な顔をしていた


「じゃあリドルが死んだら食べてあげるよ」

なんだか悔しくて負けじと言ってやれば
姫の血肉になるのも素敵だね、と返されて
またしても私の鼓膜は甘く振るえた


「勝手に死なないでね」

「姫こそ、そこら辺でくたばらないでね」

「死ぬまで傍にいてね」

「死んでもの間違いだろう?」

そうだった、とつぶやいて
私たちは静かに笑った


「なんだか、捻れ曲がった愛だね」

「そう?でも好きだろう?」

「うん、好き」

それからどちらからともなく
唇を重ねた


この捻れた愛の形を
他人に理解してもらおうとは思わない
この捻れた愛の形は
お互いが理解していればそれでいい
と、ぼんやりと考えた



弔いごっこ




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